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2007年11月23日

[更年期障害(Postmenopausal syndrome:PMS)]

更年期障害(Postmenopausal syndrome:PMS)

更年期とは、女性の性的成熟期から老年期への移行期に当たる期間で、卵子を排卵する生殖機能が衰退し始める時期のことを言います。具体的な生活年齢では、閉経(月経停止)が近づく40代後半から50代を指し示すことが多く、生理周期が不規則になり生理学的にも精神的にも不安定な時期となります。子どもを妊娠するための生殖機能の衰退とは『卵巣機能の低下』のことであり、女性の卵巣機能(男性の生殖機能)が低下すると性ホルモンの分泌バランスが崩れたり自律神経の失調を起こしやすくなります。以前は、更年期障害というと女性に特有の不定愁訴が出る疾患と考えられていましたが、最近では、テストステロン分泌が減少した中高年の男性にも更年期障害が発症することが分かってきています。男性の場合には、『原因不明の疲労感・倦怠感・イライラ・不安感』から症状が始まりうつ病(気分障害)との鑑別診断が問題になることもありますが、疲労倦怠感に続いてめまいや頭痛、冷や汗、吐き気、発汗、のぼせなどの更年期障害の症状が出てきます。

更年期に移行した男女の不定愁訴に基づくさまざまな身体症状・精神症状を総称して『更年期障害(Postmenopausal syndrome:PMS)』と呼んでいますが、更年期障害の根本的原因は『加齢現象による内分泌系の障害(性ホルモンの分泌量の減少)』なので誰にでも起こり得る疾患です。女性の場合はエストロゲン(卵胞ホルモン)の減少と生活環境における精神的ストレスの相互作用によって更年期障害の発症リスクが高まり、男性の場合はテストステロンの減少と生活環境における精神的ストレスの相互作用によって更年期障害を発症しやすくなります。更年期に不定愁訴の原因となる自律神経失調症を起こしやすいのですが、その背景には『加齢による内分泌系・自律神経系の障害』『中高年期に特有のライフイベント(人生の出来事)』が関係していると考えられます。

更年期障害の発症リスクを高める中高年期に特有のライフイベントとしては、『子どもの自立による空の巣症候群・夫婦のコミュニケーションの減少による孤独感・夫の存在や振る舞いに嫌悪感やストレスを感じ始める主人在宅ストレス症候群・夫婦どちらかの愛情や信頼が冷め切ってしまう熟年離婚の危機・女性や男性としての自分に自信がもてなくなる劣等コンプレックス・身体的な美貌や体力の衰えを受け容れられない抑うつ感・老後の生活資金の心配』などを考えることが出来ます。更年期に入った男女が、家族や配偶者を信頼できずに孤独感・寂しさを感じてしまった時、自分の老後の生活に希望が持てなくなった時、自分の容姿や人生全体に対して自信を持てなくなった時に、更年期障害や老年期うつ病の発症リスクが高くなってしまうのです。

加齢による性ホルモン(エストロゲン・テストステロン)の分泌量減少や自律神経失調症、中高年期の精神的ストレス(不安・葛藤)によって更年期障害は発症しますが、具体的な身体症状としては『熱感(のぼせ)・めまい・頭痛・耳鳴り・大量発汗・動悸・睡眠障害・肩こり・腰痛』などさまざまなものがあります。精神症状にも『抑うつ感・不安感・イライラ・焦燥感・気分の落ち込み・倦怠感・記憶力の低下・集中力の低下・物事への関心の低下』などがあり、うつ病や若年性認知症との鑑別診断が必要になってくることもあります。

更年期障害の医学的治療では、生活改善指導と合わせたホルモン補充療法が標準療法となりますが、抗不安薬や睡眠薬などの向精神薬によって精神的なストレス・緊張を緩和していくこともあります。継続的な薬物療法をする場合には、東洋医学の漢方薬治療が有効なこともありますし、運動療法・食事療法などの地道な継続と健康な生活習慣の見直しが早期回復につながってきます。うつ病類似の精神症状が顕著な場合には、認知療法や支持療法などのカウンセリングを合わせて行っていくことで効果を高めることが出来ます。



posted by ESDV Words Labo at 19:22 | TrackBack(0) | こ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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