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2007年12月18日

[コ・カウンセラー(co-counselor)][ゲシュタルト療法の影響を受けた合流教育(confluent education)]

コ・カウンセラー(co-counselor)

コ・カウンセラー(co-counselor)の「コ(co)」というのは、医師・看護師以外の医療従事者を示すコ・メディカルスタッフと同じく「共同」という意味である。複数のカウンセラーが共同して単一のケース(事例)に当たっている場合に、ひとりひとりのカウンセラーのことを「コ・カウンセラー」と呼ぶが、コ・カウンセリングはカウンセラー間の協働関係の一形態である。個人心理学(アドラー心理学)を創始したアルフレッド・アドラーが、コ・カウンセラーというアイデアを思いついたというが、同一の個人や家族といったクライアントに複数のカウンセラーが関係することで効果的な役割分担をすることができる。

複数のコ・カウンセラーが協力してカウンセリングを行うことで、クライアントはセカンド・オピニオンを聴きやすくなる、自分が目標とするロールモデルや自分が話しやすいタイプのカウンセラーを見つけやすくなるなどのメリットを享受することが出来る。コ・カウンセラー側も自分一人でケースを担当するよりも精神的な余裕が生まれて的確な判断を下しやすくなり、自分の専門分野や過去の経験から外れるケースについては他のコ・カウンセラーの意見や助言を仰ぐことも出来る。男性と女性のコ・カウンセラーが存在する場合には、指示的・父性的な男性カウンセラーと非指示的・母性的な女性カウンセラーとで役割分担をしながら、PTSD(心的外傷後ストレス障害)や境界性人格障害のクライアントに対して効果的に心理療法を実施することも出来るだろう。コ・カウンセラー同士でお互いのミス(見落とし)や弱点などを指摘しながら、足りない部分を補い合うといった相補的カウンセリングを実施することが望ましいと言える。

ゲシュタルト療法の影響を受けた合流教育(confluent education)

1960年代にカリフォルニア大学のG.I.ブラウンとA.ヒルマンが開発した教育手法が「合流教育(confluent education)」である。合流教育はフリッツ・パールズのゲシュタルト療法の影響を受けており、「今・ここ」で感じている生徒の感情や感覚を肯定的に取り扱いながら授業を進めていくところに特徴がある。生徒がその時に感じている感情や気分を的確に「言語化・意識化」していけるような指導を行って、自分と相手(他者)を率直に肯定できるアサーティブ(自己開示的)な個人になれるように支援をしていく。生徒の生き生きとした自己表現能力や適切な感情表現能力を高めていくことが合流教育の目的であり、自由な雰囲気と内面的なイメージを大切にしながら生徒たち一人一人の主体性や道徳性を伸ばしていくのである。

合流教育の合流(confluence)とは、学習場面における認知的側面(cognitive domain)感情的側面(affective domain)との統合を意味しており、合理的な判断と感情的な表現のどちらも大切に取り扱っていこうという姿勢に基づいた教育法となっている。何が正しくて何が間違っているのかということを、まずは言葉で合理的に理解させようとするのが「認知的側面」であるが、子ども達は認知的側面の教育だけでは十分な善悪や規範の理解をすることが出来ないことがある。そのため、認知的側面の教育を終えた後で「自分が相手からこういう風にされたらどういった気持ちになるのか」を、リアルなロールプレイング(役割演技)やエンプティ・チェア(空椅子技法)を通して実際に実感させていくといった指導をする。これが感情的側面の教育であり、認知的側面と感情的側面の指導のバランスを取ることで、子どもの心身の発達が円滑に促進されていくことになる。



posted by ESDV Words Labo at 21:54 | TrackBack(0) | こ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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