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2008年02月18日

[内田クレペリン検査など作業検査(performance test)][作業療法(occupational therapy)とリハビリテーション]

内田クレペリン検査など作業検査(performance test)

臨床心理学の心理検査(心理テスト)は、測定対象によって知能検査と人格検査(性格検査)に分けることができ、測定方法によって『投影法・質問紙法・作業検査』に分けることが出来る。投影法は、無意識的な心理内容や感情変化を、図形(絵画・図柄・文章作成)など何かの対象に投影させて分析する心理テストの方法である。代表的な投影法には、ロールシャッハテストやTAT(Thematic Apperception Test, 主題統覚検査)、SCT(Sentence Completion Test, 文章完成法)、P-Fスタディ(Picture-Frustration Test)などがある。質問紙法とは、選択式の質問項目に答えていくことで、性格傾向や態度、価値観、人間関係の特徴などを測定する一般的な心理テストのことである。

作業検査(performance test)とは、言語的な課題やコミュニケーションを用いずに、『非言語的な運動作業』を被検者に行わせる種類の心理テストであり、作業の結果としてのパフォーマンスから被検者の性格傾向や能力特性を推測するものである。作業検査には、被検者に絵を描かせるバウムテストやTHPテストなどの『描画法』の心理テストも含まれるが、ウェクスラー式知能検査(WISC, WAIS, WPPSI)の動作性検査(絵画完成・絵画配列・積み木模様など)も作業検査の一種である。

最も代表的な作業検査は、内田クレペリン検査(内田クレペリン精神作業検査)であり、入社試験の一環として職業適性検査に用いられることもある。作業検査の測定・評価の対象となるのは『作業過程・作業結果・作業態度』などであり、作業検査の利点は質問紙法の心理テストと比較して『社会的望ましさ(こう答えたほうが結果が良くなるだろうという推測)』が働きにくいということである。

作業検査は、作業環境や作業条件を客観的に操作しやすいというメリットもあり、仕事で必要とされる作業の持久力・集中力・作業能率などを測定するような目的に適している。単純加算作業を継続していく内田クレペリン検査では、『テスト開始時の作業効率・テスト途中の作業量の低下率・興奮の上昇量・休憩の効果の有無・問題の脱落や計算のし忘れ』などのパーソナリティ特性(職業適性)を作業曲線を元に推測することができる。

作業療法(occupational therapy)とリハビリテーション

作業療法(occupational therapy)は、絵画・彫刻(工作)・手芸・粘土・遊びなど『実際の作業(動作)』を通して身体的・精神的な治療効果を得ようとする治療法のことであり、不自由な身体機能の回復を目的とするリハビリテーションをはじめとして様々な医療福祉分野で実施されている。

低下したり麻痺したりした心身機能の回復を図るのがリハビリテーション(rehabilitation)であるが、作業療法・運動療法・治療体操といったリハビリの技法そのものがリハビリテーションなのではなく、『身体機能の回復』と並行して『精神的充実感』と『社会適応性』を高めていくのが真のリハビリテーションと考えられている。高次脳機能と日常生活動作の回復を目指すリハビリテーションとは、身体機能の低下・麻痺を健康な状態に近づけるための『医学的リハビリテーション』と社会生活への適応力を高めて日常を楽しむための『社会的リハビリテーション』の総合的な取り組みなのである。

医学分野では、脳血管疾患(脳梗塞・脳卒中)の後遺症や老年性認知症(アルツハイマー型認知症)などの運動機能障害に対して作業療法を取り入れたリハビリテーションが提供されている。心理療法分野で作業療法を組み入れる場合には、『芸術療法(アートセラピー)』や『描画療法』の形で行われることが多いが、言葉で上手く表現できない内面の葛藤や苦悩を芸術作品(絵画・粘土・工作)によって代理的に表現することで『カタルシス効果』を得ることが出来るのである。



posted by ESDV Words Labo at 20:20 | TrackBack(0) | さ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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