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2008年03月16日

[精神性発汗の測定・ポリグラフ(うそ発見器)に用いられるGSR(皮膚電気抵抗)]

精神性発汗・ポリグラフ(うそ発見器)に用いられるGSR(皮膚電気抵抗)

人間は精神状態の変化によって自律神経系(交感神経・副交換神経)が影響を受けて、末梢神経が緊張したり弛緩(リラックス)したりする。交感神経は活動性神経であり『心拍・血圧・呼吸・発汗・筋の緊張』などを促進する働きをするが、副交感神経は休養性神経であり『心拍・血圧・呼吸・発汗・筋の緊張』などを抑制する働きをする。交感神経による『心身反応の緊張・興奮・促進』と副交感神経による『心身反応の緩和・鎮静・抑制』によって、自律神経系を持つ脊椎動物のホメオスタシス(生体恒常性)は維持されている。人間は気温が高い(暑い)時に体温調整のために『発汗』をするが、精神的緊張(不安・恐怖)が高まって交感神経が優位になった時にも『発汗量』が多くなる。

精神的要因による発汗のことを『精神性発汗』と呼び、一般的には冷や汗や緊張による発汗のように認識されていて、大勢の人の前で話をする時や何か隠し事をして不安感が高まっている時に精神性発汗が起きやすくなる。精神性発汗は、『GSR(galvanic skin response,皮膚電気反応)』によって測定できる。精神性発汗を引き起こすのは『交感神経系の興奮』であるが、GSRは交感神経系の興奮による汗腺の活動によって発生する『皮膚電気抵抗(皮膚電位変容)』を測定するものである。GSRを測定する場合には、精神性発汗を生じやすい身体部位(手掌部・指先)に電極を装着し、そこに微細電流を流してその電気抵抗の値を測定するのである。

人間は『恐怖・不安・緊張』といった感情(情動)を感じた時に、交感神経系が活発に働き筋肉が緊張して大量の発汗をすることが多い。皮膚に多くの汗をかけば、皮膚上の物理的な電気抵抗が減って流れる電流の量が増加するのである。GSR(皮膚電気抵抗)は『恐怖・不安・緊張』といった精神状態の変化に敏感に反応するので、刑事捜査のためのポリグラフ(うそ発見器)にもGSRの原理が採用されている。ポリグラフ(polygraph)は、精神性発汗(GSR)だけではなくて、血圧・脈拍(心拍)・呼吸数など複数の生理的指標を参照する測定機器であり、厳密には『発言内容の真偽』を正確に判別するのではなく、『発言時点の精神状態・生理的な健康状態』を大まかに理解するためのものである。

ポリグラフのギリシア語の語源は『多く書くこと』であり、実際的には『複数の生理的指標を同時測定できる装置・機器』としての特徴を持っている。犯罪捜査にGSRが関係したポリグラフを用いる場合でも、ポリグラフ検査から得られる『生理的データの変化』だけでは意味がなく、『生理的データの分析・解釈』を行う専門的訓練を受けたテスター・捜査官が必要である。また、ポリグラフのデータと分析だけで、被疑者の発言の真偽が判定されるという事態は実際には存在せず、物証・アリバイ・状況証拠・他の証言などを含めた『総合的な捜査プロセス』を経て『被疑者の発言の確からしさ』が判定されることになる。



posted by ESDV Words Labo at 19:28 | TrackBack(0) | せ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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