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2008年06月09日

[実験社会心理学(experimental social psychology)][実験催眠学(experimental hypnosis)]

実験社会心理学(experimental social psychology)

社会心理学(social psychology)とは、複数の人間の相互作用や集団力学(グループ・ダイナミクス)を研究対象として、社会行動(社会活動)や社会現象の形成過程・因果関係を解明しようとする応用心理学である。社会心理学は『個人の心的過程』とは異なる『集団状況における心的過程と個人間の相互作用』を研究する学問分野であり、その研究対象である社会行動・集団状況・社会現象は非常に広範なものとなっている。社会心理学では、社会的な集団状況の中での個人の行動とパーソナリティが代表的な研究対象となっているが、その研究理論を基盤として『個人の相互作用過程・集団内行動・集団間行動・環境心理学・人間関係心理学・異文化コミュニケーション』など多種多様な問題と事象が研究されるようになっている。

社会心理学に実験心理学的な科学的研究法を取り入れたのが『実験社会心理学(experimental social psychology)』であり、実験社会心理学では社会現象・社会行動・大衆行動を客観的に理論化するために『複数の人間で構成される社会状況(集団環境)』を意図的に準備するという方法が取られる。実験社会心理学は実験状況・社会調査などによって仮説理論の検証を行い、社会現象(社会行動)を包括的に説明する一般理論を提起することを目的にしているが、『大人数で構成される集団状況』を再現することが難しいなど一定の限界を抱えた分野でもある。

実験社会心理学の研究手法が最も効果的に作用するのは、『少人数の集団状況の再現』によって有意義な実験を行うことができる『知覚心理学・相互作用過程・人間関係心理学・グループ・ダイナミクス』などの領域であり、対人関係やコミュニケーションの効果を測定した研究成果はカウンセリング(心理面接技法)や心理療法(集団精神療法)にも応用されている。

実験催眠学(experimental hypnosis)

催眠療法の具体的な内容については、[催眠療法(hypnotherapy)と催眠医学・催眠心理学(psychological studies on hypnosis)]の項目で解説している。催眠現象(言語的暗示・非言語的暗示)を利用して、身体症状・精神症状を軽減(消失)させようとする『催眠療法』とは、臨床催眠学に属する実践的な技法のことである。

催眠心理学には、クライエントの症状や問題を解決するための臨床的な実践を重視する『臨床催眠学(clinical hypnosis)』と催眠を科学的に研究する『実験催眠学(experimental hypnosis)』とがある。実験催眠学とは、催眠の心理学的機序(メカニズム)やトランス状態の生理学的過程を科学的方法によって研究する分野であり、実験的に催眠誘導を行うことでそのメカニズムと効果を明らかにしようとするものである。

実験催眠学では、クライエントを催眠状態(トランス状態)に誘導する催眠暗示のプロセスと催眠状態(変性意識状態)の特徴・性質が主な研究対象とされるが、科学的な催眠の研究は『生理的レベル・心理的レベル・臨床的レベル』で行われることになる。クライエントに催眠暗示(誘導)をかけるという意味で実験催眠学と臨床催眠学は密接不可分な心理学分野であり、二つの催眠学の研究成果は心理療法としての催眠療法やカウンセリング(心理面接)における暗示効果などに応用されることになる。

臨床的意図をもって意識水準を低下させる催眠療法だけではなく、さまざまなコミュニケーション場面・集団状況で生起する可能性がある『催眠状態(トランス状態)』を研究することで、人間の意識現象の本質や意識レベルの変化要因を解明することができるのである。



posted by ESDV Words Labo at 22:34 | TrackBack(0) | し:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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