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2006年04月06日
[(ゲシュタルト療法の)五つの層(five layers)]
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https://esdiscovery.jp/vision/word001/psycho_word1007.html
2006年04月05日
[医学心理学(medical psychology)]
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https://esdiscovery.jp/vision/word001/psycho_word1006.html
2006年03月30日
[意志決定(decision making)],[異常心理学(abnormal psychology)]
意志決定(decision making)
意志決定というキーワードは心理学に特有のものではないが、一般的には『複数の選択可能性から、目的を持ってある一つの選択肢を決定する心的過程を伴う行為』を意味する。どういった目的を持つのかは、価値判断の枠組みによって異なるが、経済活動では利益の増大、対人関係では評価の上昇、恋愛関係では好意の増加だったりする。
近代的な合理主義の文脈で意志決定を考える場合には、『複数の前提から好ましい結論を導き出す心的過程』というサイモン(H.A.Simon)の定義が直観的に分かりやすいだろう。サイモンは、意志決定の複数の前提には、客観的な事実に基づく『事実前提』と価値判断の指標に基づく『価値前提』があると考えていた。
一般に、『問題解決につながる有効性』と『利益増大につながる実利性』のある意志決定が、正しく適切な意志決定であると考えられる。『合理的な判断』や『理性的な分析』に支えられる意志決定が、人生の中で極めて重要なものと強く認識され始めたのは、近代以降のことである。
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意志決定というキーワードは心理学に特有のものではないが、一般的には『複数の選択可能性から、目的を持ってある一つの選択肢を決定する心的過程を伴う行為』を意味する。どういった目的を持つのかは、価値判断の枠組みによって異なるが、経済活動では利益の増大、対人関係では評価の上昇、恋愛関係では好意の増加だったりする。
近代的な合理主義の文脈で意志決定を考える場合には、『複数の前提から好ましい結論を導き出す心的過程』というサイモン(H.A.Simon)の定義が直観的に分かりやすいだろう。サイモンは、意志決定の複数の前提には、客観的な事実に基づく『事実前提』と価値判断の指標に基づく『価値前提』があると考えていた。
一般に、『問題解決につながる有効性』と『利益増大につながる実利性』のある意志決定が、正しく適切な意志決定であると考えられる。『合理的な判断』や『理性的な分析』に支えられる意志決定が、人生の中で極めて重要なものと強く認識され始めたのは、近代以降のことである。
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2006年03月28日
[無意識の意識化・無意識の言語化(make unconscious conscious)],[意識性(being conscious)]
無意識の意識化・無意識の言語化(make unconscious conscious)
オーストリアの医師シグムンド・フロイト(S.Freud, 1856-1939)が創始した神経症を適応症とする精神分析療法の治療機序が、『無意識の言語化・無意識の意識化』である。
フロイトは、共同研究者ブロイアーが対話を用いて治療した神経症患者O・アンナ嬢の症例を研究して、無意識領域に欲望や願望を抑圧することによって各種の心因性の神経症症状が発症すると考えた。抑圧されている心理的内容は、道徳的に容認されない性的欲望であったり、社会生活の中で表現できない非常識な願望であったりした。
そういった道徳的に容認されず社会的に否定される強烈な性的欲望や空想的願望は、本人もそういう欲求や願望があることを意識することが出来ない。それは、その欲求や願望が、精神分析の精神構造論でいう『無意識の領域』にあるからである。
自分自身の意識や知覚の及ばない無意識の領域に過去の欲求や願望は抑圧されているので、本人が自分自身で幾ら神経症の原因を探求しようとしても探し出せないのである。思い出すと不快や苦痛を感じる性的欲望(願望)を無意識の深層に抑圧すると、その情動のエネルギーであるリビドーが神経症症状に転換されてしまうというのがフロイトの神経症の病理学である。
O・アンナ嬢やエリザベートといった神経症患者は、自分でも思い出せなかった過去の不快な欲望や不道徳な願望を意識化して治療者に話すことで、神経症症状が改善し治癒した。O・アンナ嬢自身は、これを『心のエントツ掃除』といって、抑圧した情動や欲望が精神分析を通して浄化されることで治療効果を実感した。
このように、『抑圧している情動』や『隠蔽している出来事』を話すことによって得られる爽快感・開放感を、一般に『カタルシス効果』という。そして、夢分析や自由連想法といった独自の面接技法を用いて、無意識領域に抑圧された心的過程(欲求・情緒・願望・記憶)を、意識化(言語化)させる治療法が精神分析療法である。
意識化は、通常、無意識領域の表層的な部分にある現在に近い過去の時間軸から行っていく。そして、段階的に、より深層の領域にある幼少期の記憶や欲望を意識化する作業に入っていく。幼少期の親子関係で感じた情動や外傷的な記憶を意識化させる作業には、非常な苦痛や悲哀を伴うので、クライエントにある程度の自我の強度と客観的な認知機能がなければ精神分析は逆効果になることもある。
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オーストリアの医師シグムンド・フロイト(S.Freud, 1856-1939)が創始した神経症を適応症とする精神分析療法の治療機序が、『無意識の言語化・無意識の意識化』である。
フロイトは、共同研究者ブロイアーが対話を用いて治療した神経症患者O・アンナ嬢の症例を研究して、無意識領域に欲望や願望を抑圧することによって各種の心因性の神経症症状が発症すると考えた。抑圧されている心理的内容は、道徳的に容認されない性的欲望であったり、社会生活の中で表現できない非常識な願望であったりした。
そういった道徳的に容認されず社会的に否定される強烈な性的欲望や空想的願望は、本人もそういう欲求や願望があることを意識することが出来ない。それは、その欲求や願望が、精神分析の精神構造論でいう『無意識の領域』にあるからである。
自分自身の意識や知覚の及ばない無意識の領域に過去の欲求や願望は抑圧されているので、本人が自分自身で幾ら神経症の原因を探求しようとしても探し出せないのである。思い出すと不快や苦痛を感じる性的欲望(願望)を無意識の深層に抑圧すると、その情動のエネルギーであるリビドーが神経症症状に転換されてしまうというのがフロイトの神経症の病理学である。
O・アンナ嬢やエリザベートといった神経症患者は、自分でも思い出せなかった過去の不快な欲望や不道徳な願望を意識化して治療者に話すことで、神経症症状が改善し治癒した。O・アンナ嬢自身は、これを『心のエントツ掃除』といって、抑圧した情動や欲望が精神分析を通して浄化されることで治療効果を実感した。
このように、『抑圧している情動』や『隠蔽している出来事』を話すことによって得られる爽快感・開放感を、一般に『カタルシス効果』という。そして、夢分析や自由連想法といった独自の面接技法を用いて、無意識領域に抑圧された心的過程(欲求・情緒・願望・記憶)を、意識化(言語化)させる治療法が精神分析療法である。
意識化は、通常、無意識領域の表層的な部分にある現在に近い過去の時間軸から行っていく。そして、段階的に、より深層の領域にある幼少期の記憶や欲望を意識化する作業に入っていく。幼少期の親子関係で感じた情動や外傷的な記憶を意識化させる作業には、非常な苦痛や悲哀を伴うので、クライエントにある程度の自我の強度と客観的な認知機能がなければ精神分析は逆効果になることもある。
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[移行対象(transitional object)]
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https://esdiscovery.jp/vision/word001/psycho_word1008.html
2006年03月22日
[言い換え技法(paraphrase)],[家意識(Ie-Mindedness)]
言い換え技法(paraphrase)
言い換え技法(paraphrase)とは、カウンセリングの基本的な面接技法の一つで、クライエントがカウンセラーに話した内容を要約して繰り返してあげる技法である。カール・ロジャーズのクライエント中心療法(来談者中心療法)やアレン・アイビィのマイクロカウンセリングでも、カウンセリングの基本的な技法として、この言い換え技法は用いられる。
カウンセリングに訪れるクライエントの全員が、自分の心理的な悩みや困難の内容を綺麗に整理できているわけではなく、自分の人生や人間関係の出来事を論理的に話せるわけではない。カウンセラーは、バラバラとまとまりなく話されるクライエントの話の内容の要点(エッセンス)を記憶して、『私は、あなたのお話をこのように理解していますが、この理解で合っているでしょうか?』という思いを込めて分かりやすく繰り返してあげる。
言い換え技法とは、相手を説得したり納得させる為に用いる技法ではなく、相手との相互的な信頼感や安定感を高めながら、相手の話をどのように理解しているかを相手に簡潔に伝えてあげる技法である。アレン・アイビィが1960年代後半から1980年代にかけて開発したマイクロカウンセリングは、それまで研究されてきたカウンセリング理論と面接技法の長所を統合したもので、現実的問題への応用性に優れたカウンセリング体系である。
マイクロカウンセリングなどで用いられる言い換え技法は、クライエントの『カウンセラーに理解されている』という安心感を高め、『自分の考えをカウンセラーの視点を通して客観的に確認する』という自己理解の深化につながる。
一般的にいう、カウンセリングのアウェアネス(洞察)効果やバディ(仲間のいる安心)効果は、カウンセラーの当意即妙な『言い換え技法』によって高まる。
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言い換え技法(paraphrase)とは、カウンセリングの基本的な面接技法の一つで、クライエントがカウンセラーに話した内容を要約して繰り返してあげる技法である。カール・ロジャーズのクライエント中心療法(来談者中心療法)やアレン・アイビィのマイクロカウンセリングでも、カウンセリングの基本的な技法として、この言い換え技法は用いられる。
カウンセリングに訪れるクライエントの全員が、自分の心理的な悩みや困難の内容を綺麗に整理できているわけではなく、自分の人生や人間関係の出来事を論理的に話せるわけではない。カウンセラーは、バラバラとまとまりなく話されるクライエントの話の内容の要点(エッセンス)を記憶して、『私は、あなたのお話をこのように理解していますが、この理解で合っているでしょうか?』という思いを込めて分かりやすく繰り返してあげる。
言い換え技法とは、相手を説得したり納得させる為に用いる技法ではなく、相手との相互的な信頼感や安定感を高めながら、相手の話をどのように理解しているかを相手に簡潔に伝えてあげる技法である。アレン・アイビィが1960年代後半から1980年代にかけて開発したマイクロカウンセリングは、それまで研究されてきたカウンセリング理論と面接技法の長所を統合したもので、現実的問題への応用性に優れたカウンセリング体系である。
マイクロカウンセリングなどで用いられる言い換え技法は、クライエントの『カウンセラーに理解されている』という安心感を高め、『自分の考えをカウンセラーの視点を通して客観的に確認する』という自己理解の深化につながる。
一般的にいう、カウンセリングのアウェアネス(洞察)効果やバディ(仲間のいる安心)効果は、カウンセラーの当意即妙な『言い換え技法』によって高まる。
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