ウェブとブログの検索

カスタム検索





2014年10月14日

[モーリス・メルロー=ポンティ(Maurice Merleau-Ponty)]

モーリス・メルロー=ポンティ(Maurice Merleau-Ponty)

モーリス・メルロー=ポンティ(Maurice Merleau-Ponty,1908-1961)は、フランスの現象学・実存主義哲学を代表する哲学者で、エドムンド・フッサールの『イデーン』などの後期現象学を継承・発展させたと言われる。

モーリス・メルロー=ポンティは現象学だけではなく実存主義哲学の分野でも活躍し、1945年から1952年にかけて、ジャン・ポール・サルトルと共に実存主義の人間観を基盤に置いた政治的・文化的な社会運動を主導した。

J.P.サルトルと協力して実存主義の哲学・文学・時評を取り扱う雑誌『現代(Les TempsModernes)』を刊行したが、1952年に左派的な政治思想やマルクス主義の解釈を巡る論争からサルトルと対立して距離を置くことになった。

メルロー=ポンティーの現象学は、哲学史において対立的な概念と解釈されてきた『意識(自己の概念)』『モノ(対象の概念)』を知覚における認識の生成と言語の次元で統合することを目指しており、『知覚の現象学(知覚の優位性の哲学)』と呼ばれている。

メルロー=ポンティーは知覚の生成作用と主体としての身体性の次元から、『意識(自己の概念)』と『モノ(対象の概念)』の二項対立的(二元論的)な図式を解消しようとしていた。

続きを読む
posted by ESDV Words Labo at 18:05 | TrackBack(0) | め:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月25日

[ロロ・メイ(Rollo May)と実存主義療法:2]

ロロ・メイ(Rollo May)と実存主義療法:2

精神分析では『不安(anxiety)』を神経症(ノイローゼ)の典型的かつ病理的な精神症状の一つとして定義するが、ロロ・メイは友人であるドイツ生まれの神学者パウル・ティリッヒの著作『存在への勇気』に影響を受けて『不安の意味』という著書を書いている。

ロロ・メイ(Rollo May)と実存主義療法:1

メイは神経症に見られるような『精神病理としての不安』と、人間であれば誰でもその実存的な存在形式のために持つような不安である『実存的な不安(正常範囲内の不安)』を区別したのである。

パウル・ティリッヒのいう『存在への勇気』とは、『死・運命・無意味(ナンセンス)』などの人間にとって不可避な限界事象が生み出す不安を乗り越えようとする勇気であり、『そうであるにも関わらず(人間は生きなければならない)』という逆説的な勇気づけの主張がそこには込められている。

ロロ・メイは人間がその固有の存在形式の構造(=実存)によって感じざるを得ない不安は『実存的不安(死・運命・障害・離別・無意味などの不安)』であるとしたが、この実存的不安を感じることによって『自己成長の機会・問題解決の端緒・本来の自己』を得ることができるのだと説いた。

続きを読む
posted by ESDV Words Labo at 11:26 | TrackBack(0) | め:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[ロロ・メイ(Rollo May)と実存主義療法:1]

ロロ・メイ(Rollo May)と実存主義療法:1

アメリカの心理学者ロロ・メイ(Rollo May,1909-1994)は、クライエントの内面心理や自由意思(生きる意味への志向性)を重視する『実存主義療法』を紹介したパイオニアである。

メイは当時影響力を強めていた客観科学的(実証主義的)な『行動主義心理学』を批判して人間の心理的苦悩を根本的に解決するためには、『科学的な理論(実験・観察による法則の定立)』ではなく、『人間的な存在・意思の原理(生きる意味への志向性)』からアプローチしなければならないと主張した。

オハイオ州エイダに生まれたロロ・メイは、ミシガン州立大学とオベリン大学で学んでギリシアへ渡って教職に就職したが、精神分析への強い興味があって、ウィーンで開催されていたアルフレッド・アドラーのセミナーにも積極的に参加していた。1938年にアメリカに帰国して牧師になるためにユニオン神学校で学んでいる時に、教師だったパウル・ティリッヒと出会って親友のような親密な交遊を深めていくことになる。

しかし、精神分析や心理学への知的好奇心を抑えることができず、牧師を辞めてコロンビア大学の教育学部(心理学を学べる学部)に入学した。在学中に結核に罹って18ヶ月もの間、療養生活を強いられたが、その時にS.フロイトやセーレン・キルケゴールの著作を読んで思想的な影響を受けたという。

1949年に、コロンビア大学教育大学院で臨床心理学博士号(Ph.D)を取得して、ハリー・スタック・サリヴァンやエーリッヒ・フロムらが設立した『ウィリアム・アランソン・ホワイト精神分析研究所』に就職した。1971年には、サンフランシスコに『ヒューマニスティック心理学研究所(セイブルック大学院・研究センターへと発展する研究施設)』をカール・ロジャースやアブラハム・マズローと一緒に創設している。

続きを読む
posted by ESDV Words Labo at 11:24 | TrackBack(0) | め:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月03日

[メンタル・エイジ(mental age)と知能指数(IQ)]

メンタル・エイジ(mental age)と知能指数(IQ)

メンタル・エイジ(mental age)とは主に、フランスの心理学者アルフレッド・ビネー(Alfred Binet, 1857-1911)とビネーの友人の医師シモンが1905年に開発した『ビネー式知能検査』で用いられている概念である。

メンタル・エイジは『精神年齢』と日本語に訳されているが、精神機能の正常性や精神(人格)の価値を判断するような年齢指標ではなく、純粋に『実年齢に対応した知能(知的能力)の高低』を測定するための年齢指標(操作的概念)である。つまり、一般的な会話で良く言われている『あの人は精神年齢が幼い=人間性が幼稚・未熟で馬鹿げた判断や行動をする』といったような意味合いでは使われない。実年齢のことは、『生活年齢 (Calendar Age, CA)』という概念で表現している。

アルフレッド・ビネーは、フランス文部省付属の専門機関『異常児(精神遅滞児)問題研究委員会』の嘱託によってビネー式知能検査を開発したが、その目的は普通学級の授業についていくことができない精神遅滞の児童(現在の知的障害児)をスクリーニングして、特殊支援的(生活訓練的)な教育を受けさせることであった。初期のビネー式知能検査は、30個の問題を易しい問題から難しい問題へと難易度順に並べた簡単なテストだったが、1908年版から児童の知能水準を相対的に測定するために『精神年齢(Mental Age,MA)』の概念を知能検査に導入した。

続きを読む
posted by ESDV Words Labo at 16:18 | TrackBack(0) | め:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[メンタリング(mentoring)]

メンタリング(mentoring)

メンタリング(mentoring)は、メンタルヘルスなどの『メンタル(mental,精神的な)』という言葉に発音が似ているが、英単語のスペルが違うように全く異なる意味をもった概念である。メンタリング(mentoring)というのは、『メンター(mentor,精神的な師・手本となる先生)』に関係した教育心理学分野の言葉であり、尊敬と好意(親密さ)を持てるようなメンターとのコミュニケーションによって『効果的な教育活動』を促進しようとするものである。

カウンセリング(NLP)や自己啓発の分野では、優れた能力や成熟した人格を持つ人物を『メンター(mentor)』という師匠・先生の役割に設定して、メンターから教えを受ける弟子・生徒役の人物を『メンティ(mentee)』と呼ぶことがある。メンターとメンティの関係は一般的な先生と生徒(学生)、カウンセラーとクライエントとはまた異なっていて、メンターとメンティは『独特の精神的な結びつき(尊敬・憧れ・優しさ)』に基づく『親しみのある師弟関係』といった雰囲気を持っている。

続きを読む
posted by ESDV Words Labo at 15:38 | TrackBack(0) | め:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月03日

[メニンガー・クリニック(Menninger Clinic)とカール・メニンガー]

メニンガー・クリニック(Menninger Clinic)とカール・メニンガー

カール・オーガスタス・メニンガー(Karl Augustus Menninger,1893-1990)はアメリカを代表する精神科医・精神分析家であり、兄のカール・メニンガーと弟のウィリアム・メニンガーの二人が、世界的に有名な総合精神医療施設である『メニンガー・クリニック(Menninger Clinic)』の基礎を確立した。

1925年にカンザス州のトピカに設立されたメニンガー・クリニックは、20世紀半ばまでは『アメリカの精神分析研究,力動的心理学の臨床実践』の中心拠点として機能していた。だが、生物学的精神医学の薬物療法が主流になるにつれて、思想的な精神分析の影響力は低下することになり、メニンガー・クリニックに付属していた『トピカ精神分析研究所(トピカ精神分析協会)』もその歴史的役割を終えたとして閉鎖されてしまった。

1980〜1990年代くらいまでは、日本における一流の精神分析家(分析医)のキャリアとして、メニンガー・クリニック付属のトピカ精神分析研究所に留学する人も多かったのだが、世界的な精神医学界の大きな流れとして精神療法としての精神分析の理論・臨床が以前ほど重要視されなくなってしまった。

メニンガー・クリニックは1919年にメニンガー一族によって設立されたクリニック、サナトリウム、精神医学校から構成される『メニンガー財団(Menninger Foundation)』の活動の一環として設立された総合精神病院であった。財団設立当初のメニンガー・クリニックは小さな診療所の形態からスタートしており、1925年に11床の入院設備を備えたメニンガー・クリニックへと拡充されたのである。

続きを読む
posted by ESDV Words Labo at 06:30 | TrackBack(0) | め:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[メニエール病(Meniere's disease)4:メニエール病の治療法とストレスの影響]

メニエール病(Meniere's disease)4:メニエール病の治療法とストレスの影響

メニエール病の治療の中心は『薬物療法』になるが、処方される薬はめまい・吐き気の主症状を抑制する薬や血行促進剤、ビタミン剤(ビタミンB12製剤)、リンパ水腫改善の利尿剤(イソバイド,メニレット)など対症療法的なものが殆どであり、メニエール病の本態を直接的に治癒することは困難である。急性期で激しいめまいや吐き気が起こって起き上がれないような状態であれば、鎮静・催眠の精神作用に期待する意味もあって抗ヒスタミン剤・精神安定剤(マイナートランキライザー)が処方されることもあり、メニエール病の発症・維持には精神的ストレスが関係していることが多いので、これらの向精神薬の効果があることもある。

急性期のめまいと吐き気が強すぎて内服薬を飲むことが不可能な時には、炭酸水素ナトリウム注射液(メイロン)やトラベルミン、制吐剤などの薬剤を点滴で静注する。急性期に症状が激しくて不安感・パニックなども見られる場合には、点滴による栄養剤・吐き気止め(制吐剤)の静脈注射に、精神状態を穏やかにして眠気を誘うマイナートランキライザーや抗ヒスタミン薬が一緒に混ぜられることもある。

薬物治療で期待できるのは、めまい発作の回数を減らすことや軽くすることであるが、『難聴・耳鳴り(聴覚異常)』などの症状の進行は止められないことも多い。難聴が悪化している時には、ステロイド剤の内服薬が用いられることがある。極端にめまいが激しくてずっと起き上がれなかったり、難聴でまともに音声を聞き分けられなくなったりといった症状の重症化が見られる場合には、『外科的治療(外科手術)』も選択肢に入ってくることがある。ここでいう外科手術とは、『内リンパ嚢開放術・前庭神経切断術』などの手術のことである。

続きを読む
posted by ESDV Words Labo at 01:32 | TrackBack(0) | め:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[メニエール病(Meniere's disease)3:メニエール病の診断基準]

メニエール病(Meniere's disease)3:メニエール病の診断基準

メニエール病の主症状である『めまい発作』に付随する形で、ほぼ必ず出現する以下のような症状もある。

めまい発作時の付随症状

激しい吐き気・嘔吐、冷や汗、顔面の蒼白化、動悸、異常なほどの寒気・暑さなど温感異常(体温調節異常)、聴覚補充現象(音が過剰に響いて聞こえる聴覚のリクルートメント現象)など。

メニエール病の診断基準は以下のようなものであり、めまいだけ、難聴(聞こえの悪さ)だけの症状はメニエール病とは診断されない。また、メニエール病の病理の本態は『内耳の内リンパ水腫』なので、内リンパ水腫の発生が合理的に推測できない場合もメニエール病ではないとされる。

続きを読む
posted by ESDV Words Labo at 01:30 | TrackBack(0) | め:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[メニエール病(Meniere's disease)2:メニエール病の主要な4症状]

メニエール病(Meniere's disease)2:メニエール病の主要な4症状

旧厚生省の疫学調査などでは、メニエール病は男性よりも女性に多い疾患で、発症年齢のピークは30代後半から40代前半にあるとされ、若年層や高齢者層での発症は比較的少なくなっている。メニエール病の有病率は、人口10万人当たり15〜18人程度だとされる。めまい患者全体に占めるメニエール病患者の割合は、約5%〜10%程度だとされているが、一般の耳鼻咽喉科で厳密なめまい症の鑑別診断が行われているか否かについてははっきりしない。

メニエール病では、内耳に水分が過剰に溜まってしまう内リンパ水腫によって『前庭・蝸牛』の感覚細胞が障害されていると考えられている。その影響で、突発的で激しい回転性のめまいが起こったり、蝸牛障害の症状である耳鳴りや難聴が起こったりするのだが、『内リンパ水腫』そのものが発生する原因には、『心理的・社会的ストレス』が強く関わっていることが分かっており、精神科医・心療内科医の立場からは、メニエール病を精神的原因によって身体症状が形成される『心身症』の一種だとする意見もある。

内リンパ水腫が発症する生理学的メカニズムは、内リンパ液の産生と内リンパ嚢における内リンパ液の吸収のバランスの崩れ(不均衡によるリンパ液の過剰貯留)である。内リンパ水腫は片耳だけに現れる『一側性』が多くを占めるが、両耳に現れる『両側性』のものも約20〜30%はある。

続きを読む
posted by ESDV Words Labo at 01:25 | TrackBack(0) | め:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[メニエール病(Meniere's disease)1:病気の歴史と症状]

メニエール病(Meniere's disease)1:病気の歴史と症状

メニエール病(Meniere's disease)『内耳』の異常を原因とする耳鼻科疾患で、日本の厚生労働省では特定疾患(難病)に指定されている。メニエール病は特定疾患ではあるが『特定疾患治療研究事業』の対象疾患ではないため、医療費の公的助成(医療費の減免措置)を受けることはできない。

メニエール病の症状の特徴は、『激しい回転性の目眩(めまい)・難聴・耳鳴り・耳閉感(耳がふさがった感じ)』の4つの主要症状が同時に繰り返し発生するということであり、その苦痛な症状が慢性的に経過してなかなか治りにくい。1861年に、フランスの耳鼻科医プロスペル・メニエール(Prosper Meniere)が、『内耳性疾患(内耳の異常)』を原因とする激しいめまいが存在することを発見したことが始まりだが、当時はめまいの生理学的原因は『脳の機能障害や異常所見』だと推測されていた。

続きを読む
posted by ESDV Words Labo at 01:22 | TrackBack(0) | め:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月19日

[メタサイコロジー(metapsychology)・超心理学]

メタサイコロジー(metapsychology)・超心理学

メタサイコロジー(metapsychology)とは、パラサイコロジー(parapsychology)と呼ばれることもある応用心理学の一分野である。メタサイコロジーが研究対象にしているのは『非科学的な超自然現象(超常現象)・心霊現象(オカルト現象)』などであるため、一般的にアカデミックな科学研究のカテゴリーからは除外されてしまうことも多い。だが、『非科学的現象を科学的に説明・実証すること』という矛盾した目的がメタサイコロジーにはある。

心霊現象(お化け・霊魂)や超自然現象(超能力・物理法則に従わない現象)を取り扱うのは、通常『自然科学(アカデミズム)』ではなく『オカルト(神秘思想・宗教思想)』だと考えられがちである。しかし、メタサイコロジーは『実験法・観察法を用いた検証』を手段にしているので、学術分野として『非科学的・宗教的』なわけではないのである。

続きを読む
posted by ESDV Words Labo at 05:23 | TrackBack(0) | め:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。