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2014年10月27日

[アーノルド・ラザラス(Arnold A. Lazarus)]

アーノルド・ラザラス(Arnold A. Lazarus)

アーノルド・ラザラス(Arnold A. Lazarus,1932-2013)は、息子のクリフォード・ラザラスと共に、行動療法の権威として知られるアメリカの臨床心理学者であり、心理学論文では行動療法の『系統的脱感作法』の実践者として言及されることも多かった。

行動療法はクライエント本人にしか感じることのできない『主観的な内面心理(思考・感情・気分)』ではなく、外部の第三者(専門家)によって観察・測定することができる『客観的な行動』をセルフモニタリングや治療の対象にする心理療法である。

系統的脱感作法(systematic desensitization)は段階的に不安・恐怖・緊張を感じる対象に暴露させていってその苦痛な感覚に慣れさせていくという行動療法の技法の一種であり、現在でもパニック障害や全般性不安障害、恐怖症の治療法に利用されることが多い。不安や恐怖、緊張を感じる対象(出来事・人物)に直接的に向き合わせる行動療法をまとめて『曝露療法(エクスポージャー)』と呼ぶこともある。

曝露療法には弱い不安を感じる対象から強い不安を感じる対象へと段階的に暴露していく『系統的脱感作法』だけではなく、一気に最も強い恐怖・不安を感じる対象に暴露させることで回避性(緊張性)の精神症状をショック療法的に解消しようとする『フラッディング(flooding)』と呼ばれる技法もある。

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[デイヴィッド・ラパポート(David Rapaport)]

デイヴィッド・ラパポート(David Rapaport)

アメリカの精神分析家・心理学者であるデイヴィッド・ラパポート(David Rapaport,1911-1960)は、東欧のハンガリーで生まれたユダヤ人であったが、1938年にアメリカに渡米してからアメリカ心理学会の重鎮にまで上り詰め心理学の関連分野で活躍した。ヨーロッパ滞在中に大学で数学・物理学・心理学を学んでいたが、その後にジークムント・フロイトの精神分析と出会って精神分析家としてのトレーニングを積んだ。

デイヴィッド・ラパポートはアメリカの近代的心理学の草分け的な存在であり、アメリカの精神分析協会の創設に関与しただけではなく、アメリカ心理学会の中でも大きな影響力と存在感を示すことになった。特にアメリカ心理学会におけるラパポートの歴史的功績として知られているのは、臨床心理学と異常心理学(精神病理学)の研究発表部門の創設である。ラパポートによってヨーロッパ(ドイツやイギリス)よりも遅れていた当時のアメリカの臨床心理学に、精神分析の理論や技法が輸入されたという見方もできる。

デイヴィッド・ラパポートの臨床心理学の知的・技術的な基盤は『精神分析学』に置かれていたが、ラパポートはS.フロイト以来の正統派の『自我心理学』と近代的な『社会心理学』を統合するという壮大な学問的野心を持っていたと言われる。精神分析学の体系化の研究だけではなくて、心理検査をはじめとする心理アセスメントの総合化・高度化に関係する研究も熱心に行っていた。

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2014年08月17日

[フリーダ・フロム=ライヒマン(Frieda Fromm-Reichmann)]

フリーダ・フロム=ライヒマン(Frieda Fromm-Reichmann)

フリーダ・フロム=ライヒマン(Frieda Fromm-Reichmann,1889-1957)は、ドイツのカールスルーエでユダヤ人銀行家の家に生まれ、アメリカに亡命した女性の精神科医・精神分析家(フロイト派)である。社会派の精神分析学者・フロイト左派として知られるエーリッヒ・フロムの妻であったが後に離婚している。だが、離婚後も友人・学友として、エーリッヒ・フロムとの親密な人間関係が維持されていたという。

大学では医学を専攻して医師免許を取得した。第一次世界大戦では心身医学・脳神経医学の臨床をしていたカート・ゴールドシュタイン(Kurt Goldstein)を補佐して、脳損傷を受けた兵士の治療をする中で、戦争のトラウマで精神が崩壊して通常の適応ができなくなってしまう『カタストロフィー反応』の存在を知った。

フリーダ・フロム=ライヒマンは戦争の終結後、『自律訓練法(autogenic training:AT)』を考案して心身医学の臨床研究に注力していたJ.H.シュル(J.H.Shultz, 1884-1970)の元で、心理的原因が関係した疾患の医療を行っていた。その後、ジークムント・フロイトの精神分析の著作を読んで、自由連想や夢分析、リビドー発達と性格形成などの理論・技法に感銘を受け、女性精神分析家へと転身することになった。

精神分析家になったフリーダ・フロム=ライヒマンは、エーリッヒ・フロム(E.Fromm)と協力して『南西ドイツ精神分析研究所』を設立した。フリーダはE.フロムと同じく、社会学的要因を重視する『社会派の精神分析家』であり、S.フロイトの生物学主義(科学原理主義)に反発して『社会的・文化的な諸要因+個別の社会的性格の傾向性』が精神疾患(神経症)の発症に深く関わっていると主張した。

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2014年01月27日

[ラ・ホイア・プログラム(La Jolla Program)]

ラ・ホイア・プログラム(La Jolla Program)

エンカウンター・グループをはじめとするグループセラピー(集団精神療法)に大きな影響を与えたのが、ラ・ホイア・プログラム(La Jolla Program)と呼ばれる集中的な集団療法の体験型プログラムである。ラ・ホイア・プログラムを計画して実施したのは、“CSP(Center for Studies of the Person)”と呼ばれる人間性心理学や能力開発の調査研究をしている研究機関であった。

ラ・ホイア・プログラムの『ラ・ホイア(La Jolla)』というのは、CSP(Center for Studies of the Person)が設置されていた地名である。このラ・ホイア・プログラムが初めて実施された1967年には、最大規模で最長期間の『集中的なグループセラピー体験(他者と出会うエンカウンター体験)』として注目されたが、その後、世界各国へとラ・ホイア・グループの基本的な実施要項と方法論が伝播していった。

この集団精神療法の原型ともなったプログラムの目的は、『対人関係の悩みの解消・個人の心理的成長や人間的深化・個人間のコミュニケーションの改善や人間関係の発展促進』などである。

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[ラテラリティ(laterality)とカウンセリング]

ラテラリティ(laterality)とカウンセリング

“側面・側部にあること”を『ラテラル(lateral)』というが、『ラテラリティ(laterality)』というのは“偏在性・左右差・片側優位性”といった意味である。一般的にラテラリティ(laterality) というと、“右利き・左利き”といった利き手の片側優位性を指すこともある。

また両手に限らず、『両足・両目』のような左右が対になっている身体器官の左右差(片側優位性)のことをラテラリティといっている。ラテラリティの左右差(片側優位性)には生物学的基盤(生理的傾向)が関係しており、カウンセリングの心理面接にもラテラリティのそういった左右の違いの特性が応用されたりすることもある。

例えば、カウンセリングや心理療法を実施する時に、カウンセラー(心理臨床家)とクライエントの座る位置の配置にもラテラリティの要素が関係することがある。 カウンセラー(心理臨床家)とクライエントが90度の角度の位置関係で『直角』に向き合って座る時に、カウンセラーはクライエントの右側に座ったほうが良いだろうか、それとも左側に座ったほうが良いだろうか。

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[ラベリング理論(labelling theory)・逸脱理論]

ラベリング理論(labelling theory)・逸脱理論

1960年代、アメリカの社会学研究の文脈から生まれてきたのが『ラベリング理論(labelling theory)』であり、ラベリング理論は『逸脱理論』の一種でもある。逸脱理論というのは、当該社会の『中心的な規範(法律)・慣習・常識』に違反する逸脱者やその逸脱行為の要因を分析する理論であり、従来の逸脱理論では逸脱の原因として『遺伝的要因・環境的要因』が注目されてきた。

典型的な逸脱行為や逸脱者の要因は、『親からの悪影響・成育歴の悪さ・地域環境の悪さ・学校教育の不適応・教師やクラスメイトからの悪影響・不良文化やアウトロー文化の伝染』などの社会環境的・対人的な要因である。

ラベリング理論(labelling theory)と呼ばれる逸脱理論の特徴は、社会の中心的規範に違反する逸脱者が生み出される具体的なプロセスを重視していることであり、逸脱者に対する社会統制機関(権威的・強制的な懲戒作用)による『負のラベリング(お前は社会的な価値の低い存在だというラベル貼り)』の悪影響を考慮に入れているということである。

ラベリング理論において社会統制機関と呼ばれているのは『裁判所・警察・学校・病院』などの公的な権限を持つ機関のことであり、そこで法律の裏付けのある権力を持つのが『裁判官・警察官・教師・医師』などのラベラー(labeller)である。

ラベリング理論では、他者に何らかの権威的・法律的なラベル(レッテル)を貼る側の人を『ラベラー(labeller)』と呼び、ラベル(レッテル)を貼られる側の人を『ラベリー(labellee)』とか『デヴィアント(deviant)』とか呼んでいる。

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2014年01月02日

[交流分析のラケット(racket)]

交流分析のラケット(racket)

エリック・バーンが創始した交流分析では、人間は他者から『感情(気持ち)のこもった刺激』を受けたい本能を持っているという前提があり、何も話さずに無視をされるくらいなら『ネガティブな感情(悪口・批判・非難・侮辱)』であっても、それを受けたほうがマシだと判断する人もいる。

交流分析では他者からの感情(気持ち)のこもった刺激のことを『ストローク(stroke)』と呼んでいるが、ストロークには肯定的感情のこもった『正のストローク』と否定的感情のこもった『負のストローク』とがある。ラケット(racket)とは、不快で嫌な気持ちにさせられる『負のストローク』のことである。

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[ラディカル・コンストラクティヴィズム(radical constructivism)]

ラディカル・コンストラクティヴィズム(radical constructivism)

ラディカル・コンストラクティヴィズム(radical constructivism)とは直訳すれば『過激・極端な構成主義』であり、心理療法家のフォン・グラザースフェルト(E.von Glasersfeld)は主観主義・主知主義を徹底させる理論体系の中で、1987年にラディカル・コンストラクティヴィズムの有効性(治療効果の高さ)を主張した。

ラディカル・コンストラクティヴィズムは、人間の自我から独立した客観的な世界(基本的に自分自身の認識だけではどうにもならない世界)の中に自分がいるという常識的な世界観を否定する思想であり、『人間(自分)の認識作用によってこの世界や他者のあり方が構成されている』という主観主義・主知主義を徹底させて、自分の考え方を変えれば世界や他者も変わってくるという風に考える。

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[A.エリスのラショナル・ユーモア・ソング(rational humor song)]

A.エリスのラショナル・ユーモア・ソング(rational humor song)

アメリカの臨床心理学者・心理療法家のアルバート・エリス(Albert Ellis, 1913-2007)が、ネガティブな思考や非合理的な信念にはまりこんでいるクライアントを楽しくバックアップするために考案したのが、オーバーな自己啓発を含んだ各種の『ユーモア・ソング』である。

A.エリスの論理療法(論理情動行動療法)に限らず、問題解決志向(解決構築型)のカウンセリングや短期療法(ブリーフ・セラピー)、家族療法などでは、『笑い・冗談・ユーモア・諧謔精神』などを心理的な傷つきや人間関係のトラブルの改善にさまざまな形で応用しようとする特徴がある。

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2013年12月20日

[ライ・スケール(lie scale)と社会的な望ましさ]

ライ・スケール(lie scale)と社会的な望ましさ

被験者の性格傾向・人格構造などを調べるための『質問紙法の心理テスト』では、自分自身を社会的・医学的・道徳的に良く見せたい、異常だとは思われたくないという方向の意識的なバイアスがかかりやすくなる。心理テスト(心理測定尺度)の研究分野では、自分自身の性格特性や生活態度、精神状態、人間関係などを実際の自分よりも良く見せたいというバイアス(回答の歪み)を『社会的な望ましさの影響』という概念を用いて表現することが多い。

社会的な望ましさに影響されている状態は、『よそゆきの自分・演技的な格好つけた自分・見せかけの正しさを示している自分』であるから、せっかく心理テスト(特に性格テスト)を実施してもその検査結果を信用することができない。クライアントの性格特性を調べるための心理テストで、『見せかけの演技された自己像・演技的な虚偽や建前の回答』を見破るための質問を『ライ・スケール(lie scale)』と呼んでいる。

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