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2009年01月10日

[少年法(juvenile law)と少年審判(juvenile inquiry and determination)]

少年法(juvenile law)と少年審判(juvenile inquiry and determination)

少年法(juvenile law)は、明治33年制定の『感化法』を起源とする刑事訴訟法の特則を規定する法律であり、現行少年法は1922年制定の『旧少年法(大正11年法律42号)』を戦後期の昭和23年に全面改正して成立したものである。少年法は家庭裁判所における『保護更正(再教育処遇)』を主たる目的として、少年犯罪・非行少年に対する法的処遇(保護・処罰)について定めたものであり、成人に『刑事処分(刑事罰)』を与える刑法とはその立法趣旨が異なる。

しかし、自公連立政権の賛成によって『少年法等の一部を改正する法律(平成19年法律68号)』が平成19年(2007年)11月に施行されることになり、少年院送致の対象年齢が『14歳以上』から『おおむね12歳以上』に引き下げられた。少年犯罪の凶悪化・低年齢化が引き下げの理由とされたが、戦前戦後の少年犯罪の統計データからはそういった低年齢化の傾向は読み取れないという批判も強くある。同法案に対しては、日本弁護士連合会や自由法曹団などが反対の姿勢を表明していた。『少年法等の一部を改正する法律』による変更点は以下のようなものである。

1.少年院送致の下限年齢の引き下げ(14歳→おおむね12歳)

2.触法少年に対する警察官の調査権限規定を明文化

3.保護観察中に遵守事項違反をした場合に少年院送致が可能になる

4.重大事件に対する国選付添人制度を新設

少年法で定める少年とは『20歳未満の者』であり、児童福祉法で定める『18歳未満の者』を少年とする規定とは異なるので注意が必要である。その為、18歳〜19歳の少年法上の少年は、児童福祉法が規定する『児童相談所・児童自立支援施設』には入所(送致)できない。14歳以上の少年が違法行為(触法行為)を行った場合には『家庭裁判所』に送致されて処遇が決定されるが、14歳未満の少年が違法行為を行った場合には原則として『児童相談所』に送られることになり重大事件でない限りは少年審判を受けない。

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2008年12月15日

[小児失語症(child aphasia)]

小児失語症(child aphasia)

小児失語症(child aphasia)とは、成人の失語症と区別される乳幼児期に特有の失語症であり、『言語の獲得期』において言語機能が後天的に障害される疾患である。成人の代表的な失語症には、運動性言語中枢が障害されて言葉が離せなくなる『ブローカー失語症』と聴覚性言語中枢が障害されて言葉を聴いて理解することができなくなる『ウェルニッケ失語症』とがある(失語症の参考URL)。脳の言語野の器質的損傷を有する乳幼児の言語障害を『小児失語症』と呼び、器質的病変・損傷が認められないてんかん性の脳波異常所見が見られる言語障害を『ランドー・クレフナー症候群』と呼ぶことがある。

ランドー・クレフナー症候群では、『言語の意味・内容』を耳で聴いて理解する聴覚的・認識的な言語機能が主に障害されるが、小児失語症では明確な知的障害や発達障害が認められないのに『言葉が話せない・言語獲得が遅れる』という症状が見られる。『発達性失語症』と呼ばれることもある発達段階の途中で起こる小児失語症は、『鑑別診断・発症原因・経過・予後・治療法』などについて専門家間の画一的なコンセンサスが得られておらず、他の発達障害・知覚障害との鑑別を厳密に行うことが難しいことがある。

小児失語症は、一般的な発達障害とは異なるカテゴリーの発達性言語障害であるとされているが、高次脳機能障害が疑われる広義の発達障害であるとする解釈も成り立つ。定義的には、『言語機能の獲得=言語発達』に特化された発達障害が小児失語症ということになる。

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2008年12月08日

[症候群(syndrome)とは何か?][自閉症スペクトラムにおける常同行動(stereotype)]

症候群(syndrome)

症候群(syndrome)とは疾患(病気)の医学的な診断名ではなく、疾患の病態や状態像を説明するための操作的な概念である。症候群には、通常、『複数の身体・精神の症状』が含まれており、それらの症状や病的な状態の『集合的な概念・指標』として用いられている。精神医学や臨床心理学では『症候群』の名前を冠した病態が数多くあるが、例えば、成長した子どもが家にいなくなって空虚感を覚える『空の巣症候群』や理想的な夢や状態を際限なく追求して現実的な判断能力が低下する『ピーターパン症候群』などは単一の独立した精神疾患ではない。

『症候群』の中には、ストレス状態で下痢をしたり腹痛を起こす『過敏性腸症候群』や他者との人間関係や双方向のコミュニケーションが先天的に障害される『アスペルガー症候群』のように、診断名に近い形で用いられているものも確かにあるが、それらについても症候群は『病態(病気の状態)』を示しているだけで『病気の原因』はほとんど特定されていないという特徴が見られる。医学的な診断名として用いられやすい症候群として、乳幼児突然死症候群(SIDS)や睡眠時無呼吸症候群、風邪症候群(俗にいう風邪)、シックハウス症候群(化学物質過敏症候群)があるが、症候群の場合には基本的に病気の原因が特定されておらず(原因不明とされることが多く)、標準的な治療法も確立していないという特徴がある。

精神医学・臨床心理学の領域には無数の症候群と呼ばれるものがあり、代表的なものだけでも『燃え尽き症候群(仕事や勉強に過度に集中して心身共に疲労困憊してすべてのやる気を失う)・帰宅恐怖症候群(家庭が苦痛で仕事から家に帰るのが苦痛になる)・主人在宅ストレス症候群(主人のいない家庭環境に適応していた妻が、定年退職した夫と一緒にいるようになって過大なストレスを感じ体調を壊す)・過換気症候群(何かのストレスがきっかけでパニック発作を起こす)・ヤマアラシ症候群(職場や学校で自分が傷つけられないために先手を打ってとげとげしい態度で相手を攻撃してしまう)』など次々に思い浮かべることができる。しかし、精神医学的な診断を下す場合には『中心的な精神症状』に着目してうつ病・不安障害・パニック障害・睡眠障害・強迫性障害などの診断名が付けられることが多い。

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[障害をもつ子の親に対するカウンセリングと生命倫理:『障害の認知+受容』]

障害をもつ子の親に対するカウンセリングと『障害の認知+受容』

[前回の記事]では心身障害の種類とレベルについて解説し、『障害教育・障害カウンセリングの実践』を考えたが、障害のある子を持つ親に対するカウンセリングでは初めに『障害認知(acceptance of handicap)』が課題になることが多い。現代社会では心身障害に対する認識が多様化しており、羊水穿刺を用いて胎児の先天的障害の有無を調べる『出生前診断』や自分の子としては障害を持つ子を産まない『選択的出産』といった倫理的問題も生まれてきている。

出生前診断や選択的出産には生命倫理的な問題も指摘されているが、その一方で、ヨーロッパの先進国では出生前診断の結果を適切に伝えなかった産科の医師に対して、重篤な障害を持つ本人と母親が『母親に出産をするかしないかの選択肢に関係する重要な医学的情報(障害の情報)を与えなかった』ということで訴訟を提起する事例も起こっている。

障害を持つ胎児・新生児・乳幼児・児童をどのように認識して受け容れていけるかは、親にとって非常に重要な心理的課題となる。そして、親が子どもを産むという選択をするということは、『子に対する養育・保護の責任』を自分の能力・努力の通じる範囲内において負うということである。

過剰に『子育ての義務感』を意識することは育児ストレスを強めるだけで逆効果であるが、障害の有無に関わらず、親は産まれてきてくれた子どもの健康と安全・安心を守り、『子どもの個性に合った自立』を促進していくというのが最低限の役割となる。障害を持つ子を愛して育てるというのは『建前の綺麗事』だけでは済まない『厳しい現実』としての側面も多くあるが、悲観的な気持ちで育児をしても親子共に疲弊して苦悩するばかりで得られるものは少ない。

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[障害教育と障害カウンセリング(counseling for disabled)]

障害教育と障害カウンセリング(counseling for disabled)

先天的要因(遺伝的要因)あるいは後天的要因(疾病・怪我)によって、健常者にある心身機能が喪失したり極端に低下した状態を『障害(disablitiy)』と呼ぶが、障害は絶対的な欠損ではなく相対的なハンディキャップである。障害者には『健常者にできることができない』という意味が伝統的に含意されがちであるが、障害者には『健常者にできないことができる(特異的な知覚・能力・感受性の発達)』という側面もあり、現在では健常者と障害者の間にある『差異』を肯定的に認めていこうという流れが強くなっている。心身障害者には学校・職場・地域社会・人間関係における『機能上の不利・困難(ハンディキャップ)』はあるが、それらは決定的に回復不能な『欠損・欠点』というよりも、社会基盤や教育対応、周囲の支援(補助)によって克服できる『苦手な部分としての特徴』なのである。

身体障害者や高齢者が自分の機能障害を意識せずに生活できる『バリアフリー社会の構築』や障害者と健常者とを福祉施設などで特別に区別せずに社会的な共生を目指す『ノーマライゼーションの理念』も、障害者のハンディキャップを軽減できる望ましい成熟社会に向けた取り組みの一つである。

その他にも、『手・腕・足・脚の欠損』のある身体障害に対して先端科学(脳科学・神経工学)を導入した義肢(義手・義足・義指)で機能的補助をするなど、機械工学的な障害支援によって日常生活の負担・不便が軽減されている。障害には大きく分類して、身体機能にハンディキャップを持つ『身体障害』と精神機能にハンディキャップを持つ『精神障害』とがあるが、統合失調症・重症うつ病をはじめとする精神障害の場合には外観的な判断が難しいこともある。

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2008年12月02日

[準拠集団(reference group)と所属欲求・自己アイデンティティ]

準拠集団(reference group)と所属欲求・自己アイデンティティ

『個人(individual)』『集団(group)』は相互に影響を及ぼしあっているが、学生であれば学校(クラス)とサークル・家庭、サラリーマンであれば企業と家庭というように『自分が所属している集団(帰属集団)』の影響を強く受けやすい。他者にできるだけ干渉しない『個人主義・自由主義』が浸透している現代の先進社会においても、個人が集団組織に所属したいという欲求・必要性が完全に無くなることはなく、アブラハム・マズロー(1908-1970)が欲求階層説で指摘したように『所属・親愛の欲求』はかなり普遍的なものである。

アブラハム・マズローは『生理的欲求・ 安全と安心の欲求・愛と所属の欲求・承認欲求・自己実現欲求』という階層的な人間の欲求を提起したが、食欲・睡眠欲といった本能的欲求が満たされて安全な生活環境が確保されれば、大多数の人が自己アイデンティティの拠り所としての『所属集団』を求めるようになるのである。

『自分が社会的・実存的にどんな存在であるのか』を自己定義する自己アイデンティティを確立するための方法として、『〜としての自分』という社会的役割・自分の所属先を選択することが一般的である。その為、近代的な産業社会で生きる人の大半が『社会的な職業・会社・役割・家族関係』を通して自己アイデンティティを確立することになり、『会社員としての自分・専門家としての自分・父親(母親)としての自分・学生としての自分・ボランティアとしての自分』というような自己認識を持つようになるのである。

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[情意教育(affective education)と情意領域(affective domain)]

情意教育(affective education)と情意領域(affective domain)

学校教育は学生生徒のどの能力を伸ばすかによって『知育・徳育・体育』に分類されることがあるが、『知育・徳育・体育』の教育行為のバランスが取れることによって統合的な人格形成や効果的なコミュニケーション能力が促進される。知育とは『知能・問題解決能力の発達』を目的とする知識学習のことであり、徳育とは『道徳性・倫理観の発達』を目的とする道徳学習のことであり、体育とは『体力・運動能力の発達』を目的とする体操・トレーニング・スポーツ競技を通した学習のことである。

情意(affection)とは感情と意思の統合的機能のことであるが、人間は『感情の安定・統御』『意思の集中・方向性(選択)』によって学習行動を効率的に進めていくことになる。生徒の感情機能が不安定で『怒り・不満・悲哀・抑うつ・不安』などの激しい情動に襲われている時には適切な学習プロセスを進めていくことが出来ないし、生徒の意思が薄弱だったり意識を集中できなければ学習の目的を達成することは出来ない。

情意教育(affective education)とは、学習行動の基盤にある『情意の機能』を安定させて発達させるための教育である。具体的には、情意教育とは『感情・情動の適切なコントロールと表現方法』を学びながら、『意思の集中・リラックスの方法』を身に付け『目標達成に向かう意思の方向づけ』を行っていくものである。

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2008年11月22日

[ミラノ派の家族療法の循環的質問法]

ミラノ派の家族療法の循環的質問法

家族療法(family therapy)は、家族成員の間のコミュニケーション(言葉・行動・態度)が相互に影響を与え合っているという『家族システム論』の前提に立っている。家族システム論というのは、家族を個人(要素)が集まって相互作用を及ぼしあう『一つのシステム(集合体)』と見なす仮説であり、『システムとしての家族』では『家族のメンバーが一人でいる時』には見られない反応や症状が現れてくることがある。家族療法では家族成員ひとりひとりの精神病理やパーソナリティ(性格特性)よりも、各メンバーが他のメンバーにどのような影響(良い影響・悪い影響)を与えているかが重視される。

フロイトの精神分析では、幼少期のエディプス・コンプレックスへの固着や正常な精神発達を疎外する心的外傷(トラウマ)が『精神症状の原因』と仮定されている。問題状況へのエクスポージャー(曝露)を重視する行動療法でも、『適切な学習機会の欠如・過去の間違った学習(条件づけ)』が『現在の問題・症状の原因』になっていると考える。

精神分析や行動療法の病理学・人間観には、『過去の原因』があって『現在の結果(精神症状・不適応・問題行動)』があるという直線的な因果律が採用されている。しかし、家族療法の特徴の一つは、『特定の家族ひとり』に何らかの原因(性格や考えの偏り・トラウマ・学習の欠如)があって、家庭問題が悪化しているというような『直線的な因果律』でケースを考えないということにある。

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2008年11月03日

[受容的交流療法(acceptive interatcion)とカウンセラーの『受容(acceptance)』]

受容的交流療法(acceptive interatcion)とカウンセラーの『受容(acceptance)』

カール・ロジャーズの考案したカウンセリング技法であるクライアント中心療法(来談者中心療法)では、カウンセラーの基本的態度として『受容(acceptance)』が重視される。受容は『共感的な理解』『徹底的な傾聴』とも深いつながりがある概念であり、クライアント中心療法の理論的文脈では一般的に『無条件の肯定的受容』ということが強調されている。

カウンセリング(counseling)というのは、クライアントの問題解決や人間的・精神的な成長を促進する『特別な人間関係・面接構造の設定』であるが、クライアントの感情や主張をできるだけありのままに受け止めようとする『受容的な態度』も一般的な人間関係とは異なる特殊性の現れである。

クライアント中心療法(来談者中心療法)をベースとするカウンセリングでは、クライアントの経験・感情・意見に批判的なコメントを加えない『非審判的・非指示的なコミュニケーション』が重視されており、クライアントはできるだけ価値中立的なポジションに立ってクライアントの苦悩や訴えに寄り添おうとすることになる。『カウンセラーの中立性・無条件の肯定的受容』が非指示的カウンセリングの枠組みを支えているが、カウンセラーはカウンセリングの面接セッションにおいて『頷き(首肯)・笑顔・共感の言葉・驚嘆』などの反応によってクライアントに『受容的な雰囲気』を分かりやすく伝達するように努めている。『受容』を表現する技法には以下のような二つの段階がある。

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[ルドルフ・シュタイナーのシュタイナー教育(Steiners education)]

ルドルフ・シュタイナーのシュタイナー教育(Steiners education)

シュタイナー教育とは、オーストリアの神秘思想家ルドルフ・シュタイナー(Rudolf Steiner, 1861年2月27日-1925年3月30日)人智学(アントロポゾフィー)の思想に基づく教育手法のことであるが、ドイツ本国ではヴァルドルフ教育と呼ばれている。

人智学とは、人間の認識を神の認識(宇宙意識)のレベルにまで高めようとする学問であり、ミクロコスモス(人間)とマクロコスモス(宇宙)を統合するような『認識の発展』を重視する思想のことである。アントロポゾフィーはシュタイナーの『自由の哲学』の理論を基盤にした精神科学的な神秘思想であり、五感を越える『高次の超感覚(霊的感覚)』によって事物の本質・実態を認識できるとするものである。

ルドルフ・シュタイナーは教育・哲学・宗教学・芸術文学・医学・農業・建築などさまざまな分野に多大な影響を与えた人物であるが、シュタイナー教育(ヴァルドルフ教育)が初めて実践されたのは旧西ドイツにシュタイナー学校(自由ヴァルドルフ学校)が設立された1919年のことである。1919年以降、シュタイナー教育の霊的知識を活用する教育理念はヨーロッパ各国からアメリカ大国にまで広がり、寄付活動や慈善事業などを通じて欧米に数百校のシュタイナー教育を実践する学校が設立されることになった。

第一次世界大戦が終わるとシュタイナーは『社会有機体三層化運動』という社会変革運動を開始したが、この運動は近代社会を『精神生活(文化)・法生活(政治)・経済生活』という3つの生活領域に分類して、『文化における自由・政治における平等・経済における友愛』を有機体的な統合のレベルで目指そうとするものである。シュタイナーはフランス革命の理念でもある『自由・平等・友愛』の有機体的な統合を理想社会建設の条件と考えており、近代国家に精神科学的な霊性の要素を加えることで人間の人格性や能力開発の向上が起こるとしていた。

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2008年10月30日

[シュトラウス症候群(Strauss Syndrome)の行動特性と脳損傷]

シュトラウス症候群(Strauss Syndrome)の行動特性と脳損傷

脳損傷児童が発現する障害・問題群を総称してシュトラウス症候群と呼んでいたが、最近の医学的診断では大雑把な障害分類であるシュトラウス症候群(Strauss Syndrome)という名称を用いることは少ない。シュトラウス症候群は、肢体不自由を伴う脳性マヒ患者から各種の発達障害・知的障害・学習障害まで含む幅広い疾病概念であるが、A.A.シュトラウス(A.A.Strauss)L.E.レーチネン(L.E.Lehtinen)の脳損傷を持つ精神薄弱児研究によって現象学的に症状を記述したものである。

明確な知的障害を伴う精神薄弱と『読み・書き・計算』など特定の学習能力のみが障害される学習障害の区別は難しいことがあるが、シュトラウス症候群という時には一般に脳損傷を伴う精神薄弱・知的障害のことを意味していることが多かった。

1960年代から1970年代までは、事故・病気などによる明確な脳損傷(中枢神経系の損傷)を指摘できる患者群を『脳損傷』と診断しており、シュトラウス症候群は脳損傷と各種の不適応行動が結びついたもののことである。外科的・内科的な脳損傷の既往歴がないケースでは、正常圏の知能を持ちながらも学習障害や逸脱行動(不注意・衝動的な暴力行動・ルールの無視・多動)が見られることがある。

こういった現在ではADHDや自閉症スペクトラムと呼ばれる小児の患者群を『微細脳障害(微細脳機能障害・MBD)』と診断していた時期もあったが、医学的なMBDの概念については『MBD(Minimal Brain Dysfunction, 微細脳機能障害)と発達障害(ADHD, LD)』の項目を参照して頂きたい。 シュトラウスとレーチネンは臨床的な児童観察を通して、シュトラウス症候群に特徴的な行動特性を『1.一般的な行動の障害,2.知覚障害,3.思考問題』というカテゴリーでまとめている。

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[精神分析の自由連想法(free association)と夢分析][オットー・ランクの出産外傷説(birth trauma)]

精神分析の自由連想法(free association)と夢分析

S.フロイトが創始した精神分析(精神分析療法)の中心的技法は『夢分析(dream work)』『自由連想法(free association)』であり、精神分析家が準拠すべき基本的態度には『分析者の中立性・クライアントの鏡・禁欲原則』などがある。フロイトはクライアント(被分析者)の『夢』に精神症状や不適応の原因となっている無意識的願望が反映されていると考えたが、『夢分析』とは夢の内容やイメージを分析することによってクライアントの苦悩の原因となっている抑圧された感情や記憶を再現しようとするものである。

この夢分析における作業は『無意識の意識化(言語化)』としての効用を持つが、夢分析のプロセスにおいても自由連想の技法が用いられることがある。夢のイメージや物語は『抑圧された無意識的内容・無意識的願望』を直接的に反映するわけではなく、夢には『抑圧・圧縮・置き換え・象徴化・視覚化』といった検閲作用が加えられている。夢分析される前の見たイメージのままの夢のことを『顕在夢(けんざいむ)』といい、顕在夢を分析していく過程で得られる無意識的内容が反映された夢のことを『潜在夢(せんざいむ)』と呼ぶこともある。夢に各種の検閲が加えられて潜在夢の内容が分からなくなるのは、自我に苦痛や屈辱を与える『無意識的願望・あからさまな性的衝動』を隠蔽するためだと考えられている。

夢の検閲機能は無意識的願望を抑圧(隠蔽)するためのものであり、圧縮とは『複数の対象や意味をひとつの対象にコンパクトにまとめる作用』のことである。置き換えとは恐怖心を怪物に置き換えるように『本来の対象や感情を異なるものに置き換える作用』のことであり、象徴化とは『棒状・尖端状のものを男性性器の象徴とし、空洞状・筒状のものを女性性器の象徴とするような作用』のことである。

視覚化とは『本来目に見えない感情や葛藤を目に見える対象に変容させる作用』である。自由連想法(free association)は精神分析のもっとも基本的な技法であり、『頭に思い浮かぶことは何でもそのまま自由に話してください』という教示と共に行われる。頭に思い浮かんでくるイメージや思い出(記憶)、感情や苦悩を自由に言語化して話すことによって、精神の退行や転移といった心的現象が起こりやすくなり、『自己洞察の深化』によって自由連想を疎外する精神病理の実態が明らかになっていくのである。

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2008年10月12日

[集中的グループ経験(intensive group experience)とC.ロジャーズの『十分に機能する人間(fully functional person)』]

集中的グループ経験(intensive group experience)とC.ロジャーズの『十分に機能する人間(fully functional person)』

集中的グループ経験(intensive group experience)とは、人格的成長を促進する『心理教育』や心理的問題を解決する『集団カウンセリングの効果』を目的として行われる集団的アプローチのことである。数人〜10人程度の規模で特定の場所・活動空間に集まり、数日〜数週間にわたって集中的な集団療法を行ったりセミナー活動を開催したりする。集中的グループ経験は元々、『コミュニケーション能力の向上・人間関係の改善・集団適応能力のトレーニング』などを目標にして開催されたもので、第二次世界大戦後のNTL(全米教育協会の一機関)が精力的に普及を進めてきたという歴史がある。

NTLは、心理療法やカウンセリングの実践的研究を行うラボラトリー・グループを集中的グループ経験の中心に据えていたが、その集団療法的な活動の中でTグループや感覚の微細な変化を実感する感受性訓練のようなものが活発に行われることになった。1960年代以降のアメリカでは、人間性心理学(ヒューマニスティック心理学)の潮流が流行となったが、人間性心理学派を代表するカール・ロジャーズの来談者中心療法(クライエント中心療法)の教育過程でも集中的グループ経験が重視されていた。カウンセラーの養成過程や技術研修では継続的にワークショップ(研究会)が行われることがあるが、複数のカウンセラーが集まって集中的にカウンセリング技法の研鑽やクライエントとのセッションの問題点の改善を行うワークショップも集中的グループ経験の一つである。

1960年代のアメリカでは人間性心理学の理論と研究をベースにした『人間性回復運動(human potential movement)』が盛んになったが、人間性回復運動の中で集団カウンセリングの形式を持つエンカウンター(encounter)が活発に行われることとなった。

エンカウンター(encounter)とは、自己と他者との有意義な『出会い体験』のことであるが、エンカウンターも集中的グループ経験の一種に分類することができる。エンカウンターでは、建前の付き合いの中では見られない『本音と本音のぶつかり合い(相互的な自己開示)』が行われ、表層的なコミュニケーションに留まらない『心と心の交流』を行うことで、各種のカウンセリング効果(支持・洞察・気づき・感情浄化)を期待することができる。

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[I.L.ジャニスの『集団思考理論(theory of group thinking)』と集団の凝集性]

I.L.ジャニスの『集団思考理論(theory of group thinking)』と集団の凝集性

集団構成員(集団メンバー)の『同質性・同調性・協力意識』が高い集団のことを『凝集性の高い集団』と呼ぶが、凝集性の高い集団には『役割演技(役割行動)』『集団規範』が見られやすくなる。『同質性』とは集団メンバーが類似した行動様式(文化様式)や理念・価値観を持っていることであり、『同調性』とは他の集団メンバーの行動や意見に賛同しやすく否定しにくい同調圧力(集団圧力)の雰囲気が醸成されているということである。『協力意識』というのは集団メンバーが相互に好意と信頼感を持って連帯していこうとする意識であり、凝集性の高い集団では一致団結して『特定の目標・課題』を達成しやすいというメリットがある。

凝集性の高い集団では、集団の意志決定や行動判断をとりまとめていくためのルールや慣習が必要であり、集団メンバー間で共有された価値判断や言動の善悪観のことを『集団規範(group norm)』と呼んでいる。集団構成員が共有する集団規範には、社則・校則のように『明文化された規範(成文法的性質)』と社風・校風のように『慣習化された規範(慣習法的性質)』とがある。

『慣習化された規範』は、集団成員に同質的な行動を取らせようとする『同調圧力』と言葉にしなくてもある決まりを守らなければならないと思い込む『暗黙の了解』によって支えられており、集団規範が有効に機能している集団では集団メンバーが率先して『役割行動(役割演技)』を引き受けることになる。

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[精神分析療法における集団分析(group psychoanalysis)]

精神分析療法における集団分析(group psychoanalysis)

S.フロイトが創始した自由連想と夢分析を中心とする精神分析(精神分析療法)は、通常1対1の『個人分析』の形態で実施される。それに対して、経済的・人的な経費削減の観点などから実施される分析家1人に対して被分析者(クライアント)が複数いる形の精神分析を『集団分析(group psychoanalysis)』と呼ぶ。

集団分析は精神分析療法の特殊な実施形態の一つであるが、グループカウンセリングや集団精神療法のように心理臨床家(カウンセラー)が複数のクライアントと一緒に心理面接(セッション)を行うケースは少なからずある。グループカウンセリング以外にも、依存症治療を目的とするAA(アルコホリック・アノニマス)GA(ギャンブラーズ・アノニマス)といった匿名性と守秘義務が守られた『自助グループ(自助会)』も存在している。

個人分析に対する集団分析の特徴には以下のようなものがあるが、2008年現在では精神分析療法を複数のクライアントがいる『集団』に適応するケースは極めて少なくなっている。

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2008年10月01日

[従属変数(dependent variable)と独立変数(independent variable)][統計学における自由度(DF, degree of freedom)]

従属変数(dependent variable)と独立変数(independent variable)

関数“y=f(x)”があるときに、二つの変数xとyの関係は「xの取る値」によって「yの取る値」が決まるという相関関係になる。関数“y=f(x)”において、“x”は独立的に自由な値が取れるということで『独立変数(independent variable)』と呼ばれ、“y”の取る値は“x”の値に従属して決まることからyは『従属変数(dependent variable)』と呼ばれる。

心理学研究では、実験環境で研究者が操作的に定義できる『実験条件(刺激・課題設定・動因)』のことを独立変数と呼び、実験によって測定される『実験結果・観察と測定の結果』のことを従属変数と呼んでいる。心理学実験では『実験群』『対照群(統制群)』の二つのグループを準備して比較実験を行うことで、独立変数(各種の条件刺激)が実験対象に及ぼす影響や効果を測定しようとするが、心理学実験の大きな課題は『独立変数を適切に制御することが難しい』ということである。観察や測定の結果を記録する場合の『測定上の誤差』の問題や、実験環境において『独立変数以外の要因』が関与して正しい測定結果が得られないという問題があり、更に被検者を選定する際の『サンプリングの偏り』により適切な実験結果が得られないこともある。

実験目的となっている『独立変数の効果』を測定して、『正確な従属変数(正しい測定結果)』を得るためには、要因配置法やラテン方格法、ランダムサンプリング(無作為抽出)などを活用して目的とする実験結果を得るための『適切な実験計画』を立案していくことが重要である。

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[F.アレキサンダーの修正感情体験(corrective emotional experience)]

F.アレキサンダーの修正感情体験(corrective emotional experience)

ハンガリー出身の精神分析家フランツ・アレキサンダー(Franz Alexander)は、ドイツのベルリンにおいてS.フロイトの直系の弟子の一人であるハンス・ザックスに教育分析(自分自身が精神分析を受けて自己洞察を深める教育指導法)を受けた。F.アレキサンダーは精神分析以外にも、精神的ストレスや対人関係の葛藤が身体症状を形成するという『心身医学』の分野における研究でも功績を上げたが、後年は活動の場をヨーロッパからアメリカ合衆国に移した。アメリカに渡米して以降はシカゴの精神分析研究所で独自の理論や技法を考案したが、シカゴ大学で精神分析学の教授として後進の指導に当たったこともあった。

オットー・ランクやサンドラ・フェレンツィの影響を受けたF.アレキサンダーは、アメリカの精神分析教育における先駆者として認識されることもある。F.アレキサンダーが考案した技法的概念で最も有効性が高いとされているのは『修正感情体験(corrective emotional experience)』であり、修正感情体験は精神分析療法の中にそれまで無視されがちであった『温かな共感性・支持性』を持ち込んだのである。

アレキサンダーの修正感情体験は、過去の親子関係をはじめとする対人関係の中で形成された『不適応な感情表現パターン』『自己否定的な人間関係パターン』を適応的に修正することを目的にしている。修正感情体験の臨床的な効果は『心的外傷(トラウマ)』を認識するクライアントの感情体験や認知傾向の修正である。

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2008年09月30日

[C.G.ユングの集合無意識(collective unconscious)と元型(archetype)]

C.G.ユングの集合無意識(collective unconscious)と元型(archetype)

カール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung, 1875-1961)は、師であるS.フロイトのリビドーの充足−抑圧を重視した精神分析学から離脱して、独自の思想やアイデアに立脚した分析心理学(analitical psychology)を創始した。精神分析学の精神構造論(三層構造論)では人間の心を『意識・前意識・無意識』という3つの心的空間に分けて考えるが、C.G.ユングは無意識の領域を更に『個人的無意識(personal unconscious)』『集合無意識,普遍的無意識(collective unconscious)』の領域に分類したのである。無意識とは本人が意図的に努力して思い出そうとしても思い出すことができない心的領域であるが、無意識の概念や活用を前提する心理学をまとめて『深層心理学』と呼ぶことがある。

フロイトの精神分析、ユングの分析心理学、アドラーの個人心理学は『深層心理学』の一つとして位置づけられるが、現在では深層心理学は精神分析とほぼ同義の概念として用いられることも多く、無意識の心理学の多くは精神分析の理論や世界観に回収されることになる。S.フロイトの仮定した個人的無意識とC.G.ユングの構想した集合無意識の違いをまとめると以下のようになるが、集合無意識の解説については『ユング心理学のイマーゴと元型』『ユング心理学におけるアニマ・アニムス』の項目も参照してみて欲しい。

個人的無意識……個人の主観的な記憶・感情・経験が抑圧される無意識の領域。過去に経験した本人が思い出したくないような『不快な感情・情動』や受け容れることの出来ない『苦痛な記憶・罪悪感』などが抑圧される。個人の過去の記憶や感情、欲求が抑圧されるだけではなく、無意識領域にはフロイトが“エス(es)”と呼んだ本能的・動物的欲求が潜在している。

集合無意識・普遍的無意識……個人的無意識よりも更に奥深い領域にあり、個人を超えて『自分以外の他者(人類集団)』と共有される広大無辺な無意識領域が集合無意識(普遍的無意識)である。集合無意識は、人類全体・民族全体で共有される普遍性の高い無意識領域であり、『個人的経験・主観的苦悩・抑圧された情動(トラウマ)』とは無関係に個人の内面にさまざまなイメージや感情・感覚を送り込んでくる。人間が基本的に他人と同じように感じて考える『共感能力』を持ち、他人との合意の下に物事を判断することができるのは『集合無意識(普遍的無意識)』があるからだとユングは考えた。

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[宗教(religion)と宗教学(science of religion)]

宗教(religion)と宗教学(science of religion)

宗教(religion)宗教学(science of religion)とは言葉は似ているが全く異なるものであるとされる。宗教とは絶対的な教義や神秘的な対象を『信仰』する体験であり、宗教学とは宗教の教義・歴史・思想(世界観)・役割などをメタな立場から『研究』する学術的営為のことであるが、宗教学を研究する宗教学者が研究対象にしていた宗教そのものに傾倒することも多い。

そのため、宗教と宗教学との境界線は曖昧になることも少なくないが、原則的には、宗教とは主体的な信仰活動であり宗教学とは客観的な学術研究である。科学的方法論を採用する『宗教学』は、形而上学的な哲学的思索を重視して宗教教義を補強する『神学』とは異なるものであり、宗教学では『経験主義・実証主義・現象学・批判精神』に基づいて研究が進められる。

英語で宗教を意味する“religion”という言葉には、『神・キリストとの再結合(re+ligon)』という意味があり、ラテン語のreligioにまで遡るreligionという言葉は元々キリスト教に代表される『一神教』を指示する言葉であった。現在では“religion”という言葉は宗教全般を指示する単語になっているが、日本語の“宗教”という名詞は幕末期にreligionの訳語として考え出されたもので、当初は宗教以外にも『宗門・宗旨・法教』などの翻訳の案が出されていたという。日本人が宗教一般を指し示す言葉として『宗教』という言葉を使い始めたのは明治時代中期以降のこととされているが、1884年(明治17年)に出版された井上哲次郎が編纂した『改定増補哲学字彙』という辞書に『宗教』という言葉が採用された影響が大きい。

多神教的な仏教の歴史と切り離して考えることができない。日本の伝統的宗教には、アニミズムの要素を持つ『神道』、多神教的な要素を持つ『仏教』、政治思想的な要素を持つ『儒教(儒学)』がある。日本の伝統宗教は、キリスト教やイスラム教のような一神教と比較すると『生活規範(戒律)の強制度』が弱く、『近代的な政教分離原則』が行き届いているという特徴がある。

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2008年09月18日

[ジャンクフード症候群(junk food syndrome)]

ジャンクフード症候群(junk food syndrome)

ジャンクフード(junk food)とは、エネルギー(カロリー)は高いが、必須栄養素の『ビタミン・ミネラル・食物繊維』がほとんど含まれない食品のことで、一般に糖分や人工添加物が多く含まれたもののことを言う。ジャンクフードとは栄養学的な『ガラクタ食品』という意味であり、継続的かつ大量に栄養の偏ったジャンクフードを摂取し続けると心身の健康に良くないとされている。

その一方で、アメリカを発祥の地とするジャンクフードは、現代的な大衆文化を代表するファストフード(手軽にスピーディに摂取できる食品)であり、モノと食品が溢れている『大量消費文明の豊かさ』を如実に象徴するものでもある。産業システムによる大量生産が可能なファストフードは、良くも悪くも人間を『飢餓の不安』から解き放ち『飽食の時代』へと誘うことになった。

具体的なジャンクフードには、『ハンバーガー・フライドポテト・ドーナツ・ポップコーン・スナック菓子・カップラーメン・清涼飲料水(コーラなど炭酸飲料)』などがあり、それらの特徴は『高カロリー・高脂肪・糖分と塩分が多い・手軽に食べられる・味が濃くて満腹感を得やすい』ということであり、忙しい現代人は多かれ少なかれファストフードとしてジャンクフードを食べる機会を持つことになる。ジャンクフードには野菜・果物・海産物が不足しがちなので、『ビタミン・ミネラル・食物繊維』を別の食品で補わないと栄養学的に偏った状態に陥りやすい。味付けの濃いジャンクフードは『食べる喜び・快感』を得やすい食品が多いので、注意しないと過食傾向になって肥満の原因にもなることがある。

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