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2017年07月10日

[対人態度と一般的信頼感2:自分と他人への信頼と不信は両立する可能性がある]

対人態度と一般的信頼感2:自分と他人への信頼と不信は両立する可能性がある

天貝由美子は発達心理学研究で他者に対する一般的信頼感を、『自分への信頼・他人への信頼・不信』で多元的(三次元的)に捉えた上で、『信頼感尺度(1997)』を作成しています。

[対人態度と一般的信頼感1:人一般をどれくらい信じるかを測定する『信頼感尺度』]

この心理測定尺度(心理テスト)では、他者を信じやすい人ほど騙されやすいという世間一般にある思い込みの先入観が否定されており、『自分や他者を信じること』『人一般を疑う適度な不信感(注意深く用心深く判断する必要を感じること)』は両立し得ることが示されました。自分や他者への一般的信頼感が強いから、騙されやすい単純な性格行動パターンを持っているというわけではないのです。

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[対人態度と一般的信頼感1:人一般をどれくらい信じるかを測定する『信頼感尺度』]

対人態度と一般的信頼感1:人一般をどれくらい信じるかを測定する『信頼感尺度』

心理学における『態度(attitude)』とは、社会的対象に対する特定の個人の行動を規定する『持続的な考え方・感じ方・反応様式・行動の準備状態』のことです。他者に対する個人の行動を規定する態度のことを『対人態度』といいますが、良好な人間関係形成に寄与する典型的な対人態度として『信頼感・共感性』があります。

信頼感には、具体的な特定の相手の人間性や言動をどれくらい信じるかという『特定的信頼感』だけではなく、一般的な他者の人間性や言動をどれくらい信じるかという『一般的信頼感』があります。他者一般に対する『基本的信頼感(一般的信頼感)』は、エリク・エリクソンの社会的精神発達理論では、乳児期の発達課題(=親から愛情や保護を与えてもらえるかによって基本的信頼感の獲得の成否が変わってくる)としてよく知られています。

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2016年04月01日

[大衆(マス)と選良(エリート):群衆が行動主体として動かした歴史]

大衆(マス)と選良(エリート):群衆が行動主体として動かした歴史

『大衆(マス)』というのは均質的で平等主義的な存在であり、『私とあなたは同じ集団に属する利害(価値)を共有する一員である』といった認識を持っている。それに対して、選良(エリート)というのは異質的で差別主義的な存在になりやすく、『私とあなたを一緒にしないで欲しい(私の知性・経済力・有用性はあなたよりも格段に上である)』という鼻持ちならない優越感や競争心を抱えている事が多い。

20世紀の『大衆(マス)・大衆化』の時代:大衆とは何か?

学歴・職業・資産・知的文化などによって規定される『選良(エリート)』は、近代的自我を先鋭化させた存在であり、群衆・集団の一員として適合しきれない自我(自意識・自尊心)の強さとこだわりを持っており、いわば近代の『精神的貴族主義』を孤独に実践する主体のような個人である。

知識・情報・計算・文化に優れている選良(エリート)は、人間社会がどういった方向に進むべきかの設計図や青写真を描く能力に秀でているが、実際に人間社会を運営したり変革したりしてきた歴史的主体(直接の行動的な実践者)はいつも『群衆(クラウド)』であったという役割分担的な側面がある。

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[20世紀の『大衆(マス)・大衆化の時代』:大衆とは何か?]

20世紀の『大衆(マス)・大衆化の時代』:大衆とは何か?

カール・マルクス『共産党宣言』を出し、資本家階級との『階級闘争』に打ち勝つためにプロレタリア階級の大同団結を呼びかけた19世紀は『階級の時代』であった。

だが20世紀に入ると先進国のマクロ経済の全体的な成長トレンドによって、『プロレタリア階級(労働者階級)』の平均所得が上昇して家・車といった高額な耐久消費財を購入できるようになる。更に金融緩和で労働者が投資することも可能になったため、次第に『階級意識・階級闘争の必要』が薄れていって、大勢の人が中流階級の意識(自分が社会の平均的な収入・資産を持つ労働者であるという意識)を持つようになった。

その結果、マルクス主義(共産主義革命)の有効性・倫理性の一端を担っていた19世紀的な『階級の時代』が終わりに近づき、20世紀の『大衆(マス)の時代』への移行が起こったのである。20世紀は『国民教育・中流階層・マスメディア・皆婚の傾向』などの要因によって大衆化が進んだ時代である。

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2015年04月14日

[外的対象喪失と内的対象喪失:モーニングワーク(喪の仕事)]

外的対象喪失と内的対象喪失:モーニングワーク(喪の仕事)

愛情・依存の対象を失ったり、愛着を抱いている環境・地位から離れたり、自分の自己アイデンティティが拡散したりすることによって、『対象喪失(object loss)』が引き起こされる。対象喪失は人間が感じる悲哀・苦悩の本質の一端であり、もっとも強いストレス因子として人間の精神活動に非常に大きな影響を与えるものである。

対象喪失は、『外的対象喪失』『内的対象喪失』に大きく分けることができる。自分の内的世界(心)の外部にある人物や環境が失われる経験を『外的対象喪失』というが、外的対象喪失の典型的な事例として夫婦の死別・離婚、恋人との別離、友人との絶縁、仕事の転勤や海外移住などがある。

自分の内的世界(心)の内部における『他者・環境の価値や影響の捉え方の変化や喪失感』を伴う経験のことを『内的対象喪失』というが、その典型的な事例は理想化されていた両親のイメージの現実的な調整、惚れ込んでいた異性の理想的なイメージの低下などである。

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2014年04月08日

[J.G.タルド(Jean Gabriel Tardo)]

J.G.タルド(Jean Gabriel Tardo)

ジーン・ガブリエル・タルド(Jean Gabriel Tardo,1843-1904)は、『社会名目論』を提起したフランスの社会学者である。社会名目論とは社会を成立させる根本的要因を『人による人の模倣』に求める立場の理論である。個人間の相互的な心理プロセスである『模倣(観察学習)』、複数の人間が同じ情報を元にして判断や行動をする『情報の共有(マスメディアの機能)』によって、近代社会が構成されると考えた。

J.G.タルドの著作である『模倣の法則(Les lois de l'imitation, 1890)』は流行理論の古典として評価されている。タルドは社会の流行の現象について『流行は滝のように上から下に流れる』と述べたが、これはマスコミ(マスメディア)によって人々の間に『共通の興味関心・嗜好・価値観』が形成されることを意味しており、上流のマスメディアや専門家(オピニオンリーダーの権威者)が下流の大衆に影響を与えるというのである。

ある人のファッションや言動を、他の人が観察して模倣することの連鎖によって『流行』が生み出される。大衆(他者)から憧れられたり模倣されたりする人はファッションリーダーやオピニオンリーダーなどと呼ばれるある種の権威者(偶像的なイコン,アイドル)である。J.G.タルドは、政治的領域と関係する社会学における『公衆(piblic)』の概念の提唱者でもある。

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[J.J.タフト(Julia Jessie Taft)]

J.J.タフト(Julia Jessie Taft)

ジュリア・ジェシー・タフト(Julia Jessie Taft, 1882-1960)は、社会的困窮者を対人的かつ制度的に支援するためのケースワークを研究した草分け的な女性研究者である。

J.J.タフトが活躍した時代には、心身の障害や失業・貧困などを原因とする社会的困窮者の生活・社会再適応(再就労)をケアするソーシャルワーク(社会福祉)やケースワーク(事例対応)の仕組みがなかったが、タフトはケースワークの分野の先駆けとなる実際的な研究活動を行った。

アメリカのアイオワ州で生まれたJ.J.タフトは、1904年にドレイク大学大学院修士課程を修了し、1913年にはシカゴ大学でPh.D.(学術博士号)を取得している。タフトの心理臨床や心的過程にまつわる基礎知識は、科学的心理学よりも『力動的心理学(精神分析)』に依拠しており、人間の精神構造や心的装置のエネルギー論的な葛藤(量的な増減)によって『人間の精神現象・精神病理』を把握しようとしていた。

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2014年04月06日

[J.ダラード(John Dollard)とN.E.ミラー(Neal Elgar Miller)]

J.ダラード(John Dollard)とN.E.ミラー(Neal Elgar Miller)

心理学分野でイェール大学グループに所属していたJ.ダラード(John Dollard, 1900-1981)N.E.ミラー(Neal Elgar Miller, 1909-2002)は、1930年代にS.フロイトの精神分析とクラーク・レナード・ハル(Clark Leonard Hull,1884-1952)の新行動主義を統合しようとする当時としては斬新な研究を行っていた。

精神分析と行動主義心理学を統合しようとする研究成果の一つとして、ダラードとミラーの共著である『人格と心理療法(1972)』があるが、この論文は抑圧・転移・抵抗・無意識的内容・リビドー発達(リビドーの退行と固着)といった精神分析の各概念を『学習原理の概念』で置き換えて説明しようとするものであった。

例えば、過去の重要な人物に向けていた強い感情を、現在の人間関係に向け変えてしまう『転移』は、学習原理の概念に置き換えて考えると、ある特定の刺激だけに対する反応がそれ以外の刺激にも反応するようになる『般化(刺激般化)』で説明することができる。J.ダラードとN.E.ミラーの『人格と心理療法』の原題は、『Personality and psychotherapy』であるが、当時この論文は心理学界ではあまり評価されることはなく、ダラードとミラーはその後に精神分析の理論的研究からは離れていった。

N.E.ミラーは神経症・心身症の症状形成メカニズムを、学習心理学(行動主義心理学)の視点から分析する研究を行い、神経症・心身症の各種の症状を『恐怖・不安を回避しようとするための自己防衛行動(コーピングの対処行動)』と解釈していた。こういった心身症の苦痛と恐怖・不安の回避行動を結びつける考え方から、ミラーは『がん恐怖症に対するコーピング行動の研究』も行っている。

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2014年03月07日

[ルイス・マディソン・ターマン(Lewis Madison Terman)]

ルイス・マディソン・ターマン(Lewis Madison Terman)

アメリカの心理学者のルイス・マディソン・ターマン(Lewis Madison Terman,1877-1956)は、19世紀のアメリカ心理学会の中心的リーダーであったG.S.ホール(G.S.Hall, 1844-1924)に師事して心理学の学位を取得し、『知能テスト(知能検査)』の研究開発の分野で功績を残した人物である。

L.M.ターマンはインディアナ大学とクラーク大学で心理学を学んだが、ライプチヒ大学への留学やジョンズ・ホプキンズ大学教授を経て、『クラーク大学の初代総長』となったG.S.ホールから直接の指導を受けた。

ターマンはそのキャリアの初期は高等学校教員として過ごし、高校の校長としても務めていた時期があるが、1910年からはスタンフォード大学の教員として心理学の講義を始めている。世界初の科学的な知能検査(知能テスト)は、1905年に精神遅滞児(知的障害時)のスクリーニングを目的として、フランスでアルフレッド・ビネーと医師のシモンに開発された『ビネー式知能検査』だが、ルイス・マディソン・ターマンはこのビネー式知能検査をアメリカ人向けに改良した実績が特に良く知られている。

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2010年10月28日

[B.S.ブルームの認知領域(cognitive domain)とタキソノミー(分類学)]

B.S.ブルームの認知領域(cognitive domain)とタキソノミー(分類学)

アメリカの心理学者B.S.ブルーム(B.S.Bloom)はマスタリー・ラーニングという教育方法の理論を提示し、G.I.ブラウン(G.I.Brown)は合流教育を提案したが、両者に共通するのは教育の対象領域を『頭脳・こころ・身体』の3領域に分類したことである。

即ち、学校教育の目的となる人間の要素を、『認知・情意・精神運動領域』の3つに分類したのであるが、こういったB.S.ブルームのような要素・属性・目的の分類によって研究領域を定義・設定していく学術分野のことを『タキソノミー(Taxonomy)』と呼ぶこともある。

『認知・情意・精神運動領域』は、英語では“KSA (Knowledge,・Skill・Attitude)”という略語で表現されるが、ブルームは教育活動の対象となる認知領域(Knowledge)を以下の6つの要素に分類しており、教育による学習行動は『的確かつ効果的な判断』に向かって進展していくと考えていた。

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2009年12月14日

[S.フロイトの快感原則とタナトス(死の本能)の思想]

S.フロイトの快感原則とタナトス(死の本能)の思想

精神分析の創始者ジークムント・フロイト(S.Freud, 1856-1939)は、人間の二大本能として『エロス』『タナトス』を仮定し、性的精神発達論(リビドー発達説)を前提とする『快感原則』『現実原則』という二つの原則を考えていた。エロスというのは『生の本能』であり、精神分析ではリビドーを発達させて他者(異性)と関係を築いたり、社会的な自立を達成したりする過程でエロスの生きようとする本能が作用するとしている。

タナトスとは『死の本能』であるが、精神分析の学派・学者の多くは『死(消滅)』に向かう本能であるタナトスの存在に否定的だった。そのため、『死の本能』を応用した発達理論を構築したのは、対象関係論のメラニー・クラインなどごく限られた精神分析家だけである。著名な女性分析家として知られるメラニー・クラインは、タナトスを『生得的な破壊衝動・攻撃本能』として解釈し、早期発達理論の『妄想−分裂態勢(paranoid-splitting position)』において、乳児のタナトス(破壊衝動)が思い通りにならない母親の乳房に投影されると考えた。

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2009年09月22日

[ダンピング症候群(dumping syndrome)と胃切除術]

ダンピング症候群(dumping syndrome)と胃切除術

胃切除術『胃がん・重症の胃潰瘍・胃の損傷』などに対して実施される外科手術で、胃切除術には全切除と部分切除とがある。胃がんに対する胃切除術を世界で始めて手がけた医師は、1879年のフランスのジュール・ペアン (Jules Pe'an)と1880年のポーランドのルドヴィク・リディギエール (Ludwik Rydygier)であるが、この二人の実施した幽門側胃切除は失敗した。胃がんに対する胃切除術に初めて成功したのは1881年のドイツのテオドール・ビルロート(Theodor Billroth)であり、日本では1897年(明治30年)に近藤繁次が胃切除術を成功させている。

胃切除術で胃を取り除くと『胃切除後症候群』というさまざまな後遺症が起こってくることがあるが、『ダンピング症候群(dumping syndrome)』も胃切除後症候群の一種である。胃切除後症候群にはダンピング症候群以外にも、次のようなものがあり手術後の患者は暫くさまざまな不快症状や体調の悪化に悩まされることがある。胃切除後症候群の原因としては、『迷走神経の損傷・内分泌機能の低下・消化経路の狭窄化』などが想定されている。

逆流性食道炎(胃液が食道に逆流して炎症を引き起こす)

消化不良・吸収の悪化

貧血(ビタミンB12・鉄分の吸収障害)

骨の障害(カルシウムの吸収障害)

胆石症(迷走神経の切除によって胆嚢(胆のう)機能が低下し胆石を生じる)

残胃胃炎・残胃胃がん(切除で残された部分の胃が胃炎や胃がんへと進行する)

輸入脚症候群(ビルロートU法の手術後に十二指腸の持ち上げた箇所を『輸入脚』と呼ぶ。この輸入脚を食物が通りにくくなって、溜まった胆汁が逆流して嘔吐や炎症、栄養失調などを引き起こす症状)

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2009年09月09日

[アドラー心理学の男性的抗議(masculine protest)]

アドラー心理学の男性的抗議(masculine protest)

[エディプス・コンプレックスと男根羨望]の項目で、男性中心主義(男権社会の構造)によって男性ジェンダーの優位性が形成されて、『男根(権力の象徴)』に対する羨望や劣等感が生まれるという男根羨望の説明をした。S.フロイトの性欲理論(リビドー仮説)を批判して、独自の『個人心理学(アドラー心理学)』を創始した精神科医アルフレッド・アドラー(Alfred Adler, 1870-1937)は、人間の精神活動の源泉を『快楽(性的対象)への意志』ではなく『権力への意志』に見出した。

アルフレッド・アドラーは生まれつき“くる病”を煩った虚弱体質であり、自分の健康や身体の強さに対する劣等コンプレックスを持っていたとされるが、アドラーはこういった『器官劣等性(身体的な弱点・短所)』を自分の他の得意分野によって“補償”することで、共同体感覚(他者との連帯)を回復して社会生活に適応できるようになると考えた。S.フロイトやA.アドラーが生きた19世紀のヨーロッパは、男尊女卑の社会風潮が残る男性中心社会だったので、初期のアドラーはこの器官劣等性が『体力・筋力・社会的権威の弱い女性』のほうに強く出やすいと推論していた。

現代の先進国では、職場の待遇や家庭の役割分担などで『男女平等』が進んでいるが、男尊女卑の道徳や厳格な性別役割分担(男は仕事・女は家庭)があった19世紀〜20世紀初頭の男性社会では、『女性』の『男性』に対する劣等コンプレックスの問題が立ち上がってくることがあった。

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2009年09月04日

[タンパク質と蛋白尿]

タンパク質と蛋白尿

タンパク質(蛋白質)というのは『蛋白質・脂肪・糖質』の三大栄養素の一つであり、タンパク質は20数種類の『L‐アミノ酸』が特定の配列順序で結合することによって作られる。『蛋白質』の『蛋』は『卵』のことを意味しており、『蛋白』とは『卵白』のことであるが、卵白がタンパク質を主成分としていることからタンパク質という命名が為された。L-アミノ酸が複数、連結(重合)した高分子化合物であるタンパク質(プロテイン)は、非常に複雑な立体構造を持っており、幾つかのアミノ酸が結合した高分子化合物のことを『ペプチド』と呼ぶことがある。

タンパク質は生命体の基本的な構成要素であり、人間の『皮膚・筋肉・毛髪・爪・血液』などもタンパク質から構成されており、タンパク質は細胞の原形質の材料になっている。タンパク質は、脂肪や糖質と違って『窒素』を含む高分子の化合物としての特徴を持っている。タンパク質が不足すると貧血・疲労・衰弱などの体調不良が起こってくるが、タンパク質を多く含んだ食品としては、卵・牛乳・豆・肉類(牛・豚・鶏)・魚介類などがある。

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[ターミナル・ケア(terminal care, 終末期医療),エリザベス・キューブラー・ロスの死の受容段階]

ターミナル・ケア(terminal care, 終末期医療),エリザベス・キューブラー・ロスの死の受容段階

患者にとって『死の接近』は生命を喪失する恐怖・不安と理不尽さを感じる対象であり、『なぜ、自分が死ななければならないのか?なぜ、自分だけがこんなに苦しい思いをしなければならないのか?』という不満や怒り、孤独を感じることが多くなる。家族や恋人、友人にとっても『大切な愛する人の死』は、耐えがたい悲哀や喪失、絶望を感じるつらい体験であり、容易には相手の衰退や死を認めることができないという意味で『厳しい現実』である。

ターミナル・ケアは医師・看護師・家族や知人・介護士・ソーシャルワーカー・心理職・ボランティアなどが、患者の状態・気持ちの情報を共有しながら協働する『リエゾン精神医学の全人的医療』の考え方に基づいて実施される。

『精神的苦痛・死の不安』を十分に癒すために大切なことは、患者が死ぬ前に会いたい・話したいと思っている人ときちんと会うこと、納得できるまで話し合い自分の思いを伝えておくことである。特に、患者の人生の中で深いつながりのあった『家族・恋人・友人(旧友)』とは、これまでの人生の思い出や人間関係、患者の意志・気持ちについて何度も納得がゆくまで話し合い、お互いの心と思いを通い合わせることが『死の恐怖の緩和・死の現実や悲しみの受容』を促進することになる。

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2009年09月03日

[ターミナル・ケア(terminal care, 終末期医療)とホスピス(hospice)]

ターミナル・ケア(terminal care, 終末期医療)とホスピス(hospice)

ターミナル・ケア(terminal care)とは『治療・回復の可能性』が見込めない末期の患者や家族に提供される身体的・精神的なケアのことである。ターミナル・ケア(終末期医療)の対象となるのは、『余命6ヶ月未満(通常余命が3〜6ヶ月程度)』と診断された患者であり、医学的治療を行っても治癒の可能性が見込めないと予測される場合である。末期がん・進行性のがんなどの致命的疾患で、治療の見込みや回復の可能性が殆ど無くて、患者や家族がターミナル・ケアを希望する時に実施される。

致命的疾患(末期がんなど)の末期状態では、『延命治療』『ターミナル・ケア(緩和ケア)』かを選択することになるケースが多いが、患者の身体的苦痛が耐えがたいほどに激しく、治療してもその効果が見込めない場合には、ターミナル・ケアを提供することが多い。ターミナル・ケアを実施する医療施設や住宅施設のことを『ホスピス(hospice)』と呼ぶ。

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[男根期性格(phallic character)と男根羨望(penis envy):男性中心社会とフェミニズムの影響]

男根期性格(phallic character)と男根羨望(penis envy):男性中心社会とフェミニズムの影響

男女の性差(sex and jender)を自認し始める男根期のエディプス・コンプレックスでは、男児は『去勢不安』を感じるのだが、女児のほうは『男根羨望(phallic envy)』を感じることがある。男根羨望というのは自分の身体にペニスが無いと気づいた女児が、男性優位社会における権力や指導力のメタファーである『ペニス』に羨望や劣等感、反感を覚えるというものであるが、この男根羨望の概念・発想は、S.フロイトが生きていた19世紀ヨーロッパの『男性中心主義(男権社会における男尊女卑的な風潮)』の影響をかなり受けている。

20世紀半ばまでは、男尊女卑の社会的遺制・道徳が数多く残っており、社会的に権力や影響力を持っている『性』として『男性性・権力的な男根のメタファー』が認識されていた。男根に権力や指導力、影響力の源泉を読み取る心理的特性を『男根優位』と呼び、前近代的社会では軍事力や社会的地位と結合した男根優位の感受性が『男権社会・男性優位主義』を支えていたと考えられる。

しかし、20世紀後半以降の先進国では、『フェミニズム(女性主義・女権拡張)』『産業構造の頭脳労働化(知識経済の発達)』の影響もあり、女性の高学歴化・社会進出や男女同権の環境整備(男女共同参画社会)が急速に進んだという現実がある。男根期にある女児の『男根羨望』には、『初めにあったはずの男根が奪い取られたという去勢感覚』を感じるものもあれば、『これから大きくなれば男根が生えてくるというペニスの発達感覚』を感じるものもあるが、男根羨望の持つ現代的意義としては、実際の性別とは関係の無い『社会的権力への憧憬・反発・劣等感』に集約されてくるだろう。

男性中心主義(男性社会)の影響を受けた『男根羨望』の欲求・段階への固着(fixation)が起こると、『女性性の拒絶・男性への劣等感・男性性への無理な同一化』といった性格形成や価値観の確立の問題が起こってくることがある。

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[男根期性格(phallic character)とエディプス・コンプレックス]

男根期性格(phallic character)とエディプス・コンプレックス

エディプス・コンプレックスでは『異性の親(母親)』への性的欲求や独占欲を持つが、『同性の親(父親)』との心理的な競争・対決に敗れて、異性の親への独占欲を断念して社会性(社会規範)を獲得することになる。

男根期(エディプス期)で経験するエディプス・コンプレックスの発達上の意義は、同性の親である父親(母親)の権威や叱責によって『幼児的な全能感・魔術的な思考』が去勢されて、自分の思い通りにならない『現実・社会・権威』がこの世界に存在することを実感するということである。男根期における『男根(ペニス)』は『権威・権力・男性性(支配性)』のメタファーであるが、この時期にペニスの有無によって『男女の生物学的な性差』を明確に区別するようになってくる。

幼児が『異性の親(母親)』の愛情や保護を全面的に奪い取って独占しようとするエディプス・コンプレックスでは、『同性の親(父親)』にその母親に対する独占欲求を知られて処罰されるのではないかという『去勢不安』が生まれる。男根期に感じる『去勢不安』というのは、父親に『権力・男性性のメタファー』である男根を去勢されるのではないかという不安であるが、この去勢不安は父親のパートナーである母親を独占したいという子どもの欲求と結びついている。

エディプス・コンプレックスと去勢不安によって、子どもは『家庭内の依存的な親子関係』から『家庭外の社会的な人間関係』へと移行する契機(きっかけ)を得ることになり、リビドー充足の対象も『母親(父親)』から『学校の友人・異性』へと変化していくのである。

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[男根期性格(phallic character)とリビドー発達論]

男根期性格(phallic character)とリビドー発達論

ジークムント・フロイトが創始した精神分析には、乳幼児期から成人期までの発達理論として[リビドー発達論(性的精神発達理論)]がある。精神分析のリビドー発達論では『口愛期(0歳〜1歳半)→肛門期(1歳半〜3歳頃)→男根期(4〜6歳頃)→潜伏期(6〜12歳頃)→性器期(12歳以降〜)』という各発達段階を定義していて、『自己愛的な部分性欲(性倒錯)』『対象愛的な全体性欲(性器統裁)』へと発達することで、次世代(子孫)を生み出すための人間の精神発達プロセスが完成すると考えられている。

それぞれの発達段階で『心的外傷(トラウマ)・過度の欲求不満』『欲求の過剰充足・過保護(甘やかし)』を受けると、リビドーがその幼少期の発達段階に『固着』して精神の『退行(幼児退行)』を起こしやすくなる。精神分析では各発達段階への『リビドーの固着(fixation)・退行(regression)』によって、精神病理(神経症)の発症や性格構造の形成・偏りを説明するので、神経症や異常性格(現在のパーソナリティ障害)は『幼児退行の防衛機制』と深い結びつきがある。

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2009年08月19日

[ダブル・ロール(マルチ・ロール)とポジティブ・スピルオーバー:家庭生活と多重役割との関係]

ダブル・ロール(マルチ・ロール)とポジティブ・スピルオーバー:家庭生活と多重役割との関係

心理学者のカーチマイヤー(Kirchmeyer)は多重役割とポジティブ・スピルオーバーの研究を行っているが、『ポジティブ・スピルオーバー(positive spillover)』というのは、“心理的・経済的なリソース”が多重役割の作用によって加速するという現象のことである。複数の役割を引き受けることによって、自己肯定感(自己評価)が向上して自己アイデンティティが安定したり、毎日の生活(仕事・育児)の充実感や生きがいが高まったりするという心理的な好循環が『ポジティブ・スピルオーバー』の加速感である。

夫や妻・親・会社員などの多重役割を引き受ける家庭生活において、『ポジティブ・スピルオーバー(positive spillover)』が起こると、自分の存在意義を実感する自己アイデンティティが安定して、心理的充実感(生き甲斐)や生活満足度が高まってくる。反対に多重役割を引き受ける家庭生活や夫婦関係で、『ネガティブ・スピルオーバー(negative spillover)』という心理現象が引き起こされることもあり、その時には自己アイデンティティが拡散して虚無感(無意味感)や疲労感(倦怠感)を感じやすくなってしまう。

多重役割(multiple role)を引き受ける生活・仕事では、時間的余裕が失われて身体的疲労や精神的ストレスが溜まりやすくなるので、心理的報酬やポジティブな自己評価が得られなければ『ネガティブ・スピルオーバー』が起こりやすくなってくる。

精神的な悪循環を形成する“ネガティブ・スピルオーバー”を、精神的な好循環を形成する“ポジティブ・スピルオーバー”に転換していくためには、『家族や育児に対する肯定的認知』を獲得すること、『夫婦がお互いに助け合う生活状況』を作り上げていくことが大切である。

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posted by ESDV Words Labo at 22:03 | TrackBack(0) | た:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする