他者意識の3分類・心理テストと人間関係の心理学
他者との人間関係に関係する概念で『他者意識』がある。他者意識というのは、他者に『注意・関心・意識』が向けられた状態のことであり、他者に注意を向けやすい(他者が気になりやすい)性格特性を『他者意識特性』という。
他者意識は他者をどれくらい気にしやすいかということに関係する概念で、『対人緊張・対人不安・自己呈示・利他的行動・承認欲求』などが強いか弱いかの程度にも関わっている。
他者意識を専門的に研究した事例は少ないが、自己意識理論を参照しながら構築された辻平次郎の『他者意識理論』では、他者意識を『意識が現前の他者に直接向けられたもの』と『他者の空想的イメージに向けられたもの』の2つに大きく分けている。
『意識が現前の他者に直接向けられたもの』としての他者意識は、現実の他者による拘束(影響)を受けるため、『他者の外見あるいは内面』に対する興味関心(意識)に分化していく。他者の気持ちや感情などの内面情報を敏感に感じ取って理解しようとする興味関心(意識)のことを『内的他者意識』という。それに対して、他者の容姿・ファッション(服装)・化粧・スタイルなどの外見的特徴に対する興味関心(意識)のことを『外的他者意識』という。
『他者の空想的イメージに向けられたもの』のほうは目の前に実際の他者がいなくても持つことができる興味関心(意識)であり、現実の拘束から自由であるから、他者の内面や外見への意識の分化は行われない。こういった現実の他者そのものと向き合うのではない、想像や空想に基づく他者意識のことを『空想的他者意識』として定義している。
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