プリ・テスト(pre-test)と天井効果(ceiling effect)・床面効果(floor effect)
あるカウンセリングや対応・訓練の効果を調べる場合には、そのカウンセリング(対応・訓練)の事前と事後の測定値を比較する必要がある。あるカウンセリングをクライアントに実施した場合に、そのカウンセリングの事前と事後のクライアントのデータ(心理テスト・医学的検査の結果など)を取得して比較してみるという方法である。
トレーニング(訓練)を実施した場合にも、そのトレーニングの事前と事後の被験者のデータ(体力測定・生理的指標の結果など)を取得して比較してみるという事になる。ある活動や対応が実際にどれくらいの効果をもたらしたのかを調べる場合に、事前測定のことを『プリ・テスト(pre-test)』、事後測定のことを『ポスト・テスト(post-test)』と呼ぶが、プリ・テストとポスト・テストの結果を比較するだけでは実際の効果・変化を確認することはできない。
あるカウンセリングや対応・訓練の効果を測定する場合には、その測定に用いた心理テストや体力測定などの『評価尺度(測定尺度)の信頼性(reliability)・妥当性(validity)』をまずは確実に検証しなければならない。なぜなら、評価尺度の『信頼性』とはその評価尺度を他の人に対して繰り返し用いても同じ結果になるという根拠であり、『妥当性』とはその評価尺度を使って測定しようとしているものをきちんと測定できているのかの根拠だからである。
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