プライマリー・ケア(primary care)とかかりつけ医の地域医療:2
この項目は、[前回の記事]の続きの内容になっています。 プライマリー・ケアは一般的な健康診断(医学的検査)の結果を解釈したり幅広く健康上の相談に乗ったり、多くの怪我・病気の緊急対応的な治療を行ったりする医療のことであり、『何でも診てくれる身近な総合医』によって担われている。しかし、『自分だけでは治療できないと判断した疾患・病状(小さな医療施設では検査・治療ができない症例)』に対しては、速やかに自分よりもその疾患の治療に詳しくて慣れている知り合いの専門医や最新の医療設備が整った大病院にオファーして紹介するのである。
プライマリー・ケアを担っている総合医は、外来診療・在宅医療を中心にして活動している『家庭医』と病院内で総合的・全人的な診療行為に携わっている『病院総合診療医(ホスピタリスト,hospitalist)』とに大きく分類される。病院総合診療医は『総合内科医』と呼ばれることもあるが、この家庭医とホスピタリストとが協力することで『在宅・外来・入院・予防の地域医療』が成り立ち機能していくのである。プライマリー・ケアは、定期的な健康診断や感染症の予防接種、ストレス緩和(悩み相談)のメンタルケアなどを通して、病気になってから病院に通うのではなく、事前にできるだけ病気に罹らないようにするという『予防医学』の分野にも力を入れている。
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