フィードバック(feedback)1:出力(アウトプット)の結果が入力(インプット)に影響を与える仕組み
フィードバック(feedback)とは、あるシステムの“出力(結果)”を“入力(原因)”に戻して反映させる操作のことであり、“出力(アウトプット)”が目的を達成していればそこで終了し、目的を達成できていなければもう一度“入力(インプット)”を修正するというものである。“出力(アウトプット)”を再びシステムの入り口へと還元して“入力(インプット)”を再調整する仕組みがフィードバックであり、そのことから日本語では『帰還』という訳語が当てられることもある。
“フィードバック”という言葉が初めて用いられたのは、アメリカの数学者であるノーバート・ウィーナー(N.Wiener, 1894-1964)が提唱した『サイバネティクス(cybernetics)』の円環的なシステムにおいてであり、『結果の出力』を入力に再び戻したり入力に影響を与えるという意味合いがあった。狭義のフィードバックは、1927年のH.S.ブラックによる『負帰還増幅回路の発明』に関するもので、現在でも電子工学・エレクトロニクスの分野でフィードバック回路がさまざまな技術開発に応用されている。増幅器の特性の改善や発振・演算回路、自動制御回路といった電子回路にフィードバックの考え方が用いられている。
出力(アウトプット)の増加によって、入力(操作)も増えて促進される場合を『正のフィードバック(ポジティブ・フィードバック)』、それとは逆に、出力の増加によって、入力(操作)が阻害されて減少する場合を『負のフィードバック(ネガティブ・フィードバック)』といい、この分類は機械工学(電子工学)だけではなく経済学や臨床心理学にも応用されている。負のフィードバックが働く場合に、フィードバックに『時間遅れ』がでてしまうと、出力(アウトプット)が『増加させ過ぎ・減少させ過ぎ』になってしまうことがあり、これを『発振』と呼んでいる
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