デモクラティック・スクールとパークウェイ・プログラム(Parkway Program)
この記事は、前回の記事の続きになります。日本におけるオルタナティブ教育(代替教育)は、学校教育法等の法的根拠を持っていない『非正規の教育機関・教育内容』を意味しており、学校教育法1条の規定で卒業証書の公的証明能力がある『1条校』とは異なる。具体的なオルタナティブ教育としては、フリースクール、デモクラティック・スクール、通信教育(ネット利用のEラーニング)のサポート校、インターナショナル・スクールなどの無認可校、ホームスクーリングなどがある。
日本では法的根拠のないオルタナティブ教育だけだと、正規の課程の卒業資格を認定されないので、上位校への入学資格を得るためには、『通信制・定時制の学校』などで正規課程の履修をしたり、文部科学省による卒業資格認定試験(大検など)の受験が必要になってくるという問題もある。『デモクラティック・スクール(democratic school)』の起源は、アメリカ・ボストンにあるサドベリー・バレー・スクールにあるとされているが、デモクラティックスクールというのは『生徒達の民主主義的な自治運営・校則制定』によって運営される生徒の主体性や集団運営を最大限に尊重した学校のことである。
デモクラティック・スクールは『生徒の自主性・主体性に基づく自己決定』を重視するが、『自由放任・やりたいことをやるという教育方針』とは全く異なる学校教育の運営思想であり、『生徒たちが議論・採決を通して自分たちで決めた校則やルールを守る』という民主主義的な運営理念に従って授業を受けて共同生活をする場となっている。デモクラティック・スクールの教育理念の趣旨は、社会生活や共同生活の基盤にある『共通のルールを守る・メンバーで議論をしてルールを作り改善していく・ルールの下での自由や権利を相互に尊重する』という事なのである。
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