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2011年01月31日

[デモクラティック・スクールとパークウェイ・プログラム(Parkway Program)]

デモクラティック・スクールとパークウェイ・プログラム(Parkway Program)

この記事は、前回の記事の続きになります。日本におけるオルタナティブ教育(代替教育)は、学校教育法等の法的根拠を持っていない『非正規の教育機関・教育内容』を意味しており、学校教育法1条の規定で卒業証書の公的証明能力がある『1条校』とは異なる。具体的なオルタナティブ教育としては、フリースクール、デモクラティック・スクール、通信教育(ネット利用のEラーニング)のサポート校、インターナショナル・スクールなどの無認可校、ホームスクーリングなどがある。

日本では法的根拠のないオルタナティブ教育だけだと、正規の課程の卒業資格を認定されないので、上位校への入学資格を得るためには、『通信制・定時制の学校』などで正規課程の履修をしたり、文部科学省による卒業資格認定試験(大検など)の受験が必要になってくるという問題もある。『デモクラティック・スクール(democratic school)』の起源は、アメリカ・ボストンにあるサドベリー・バレー・スクールにあるとされているが、デモクラティックスクールというのは『生徒達の民主主義的な自治運営・校則制定』によって運営される生徒の主体性や集団運営を最大限に尊重した学校のことである。

デモクラティック・スクールは『生徒の自主性・主体性に基づく自己決定』を重視するが、『自由放任・やりたいことをやるという教育方針』とは全く異なる学校教育の運営思想であり、『生徒たちが議論・採決を通して自分たちで決めた校則やルールを守る』という民主主義的な運営理念に従って授業を受けて共同生活をする場となっている。デモクラティック・スクールの教育理念の趣旨は、社会生活や共同生活の基盤にある『共通のルールを守る・メンバーで議論をしてルールを作り改善していく・ルールの下での自由や権利を相互に尊重する』という事なのである。

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2010年09月07日

[デイケア(day care)とナイトケア(night care)]

デイケア(day care)とナイトケア(night care)

精神医療や高齢者介護、リハビリテーション、社会福祉、児童保育などの分野で、昼間の時間帯に提供される各種のケアサービスを総称して『デイケア(day care)』という。高齢者の認知症予防や社会参加促進のために行われるレクリエーション(趣味の活動・集団行動)を中心とした介護サービスのことを『デイ・サービス(day service)』と呼ぶこともあるが、デイケアとの違いは医療やリハビリテーションに重点が置かれていないことである。デイケアで利用者を預かってくれる時間の基準は『約6時間』とされている。

広義のデイケアの対象となるのは『心身障害者(特に精神障害者)・高齢者・幼児・ひきこもり(非社会的問題のある人)』であり、昼間の時間帯に長く預かってもらえるので、家庭で障害者や認知症の高齢者の面倒を見ている介護者(保護者)の心理的・身体的負担を和らげるという効果も極めて大きいとされる。乳幼児のデイケアというのは例外的なサービスであるが、虐待リスクが高いと自覚する親の心理的負担を和らげたり育児ノイローゼを予防したりすることを目的にして、『デイケア・ショートステイ(児童養護施設への短期預かり)』などのサービスを実施している自治体もある。

夕方〜夜間に掛けて医療機関や介護施設が実施するケアサービスのことを、デイケアに対して『ナイトケア(night care)』と呼ぶが、ナイトケアはデイケアほど一般的なサービス形態ではない。精神医療の入院患者の中には、夜間は病院に入院して、昼間は健常者と一緒に会社や学校に通うという生活を送っている人もいて、こういった夜間の生活や治療面での面倒を病院が見る形態の社会復帰プログラムを『ナイト・ホスピタル(night hospital)』という。

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2010年05月31日

[家族療法の纏綿(てんめん, enmeshed)]

家族療法の纏綿(てんめん, enmeshed)

S.ミニューチン(S.Minuchin)の構造派家族療法では、システムズ・アプローチの観点を採用して、家族成員の相互作用に注目した対応をしていく。家族の誰か一人が悪いから問題が起こっているという『悪者探し』の直線的因果論を否定して、家族それぞれがネガティブなコミュニケーションをしたり過剰な干渉をしたりすることによって、相互に悪影響を与え合っているという円環的因果論を採用するところに構造派家族療法の特徴がある。

家族成員が安定した心理状態で過ごせる『機能的な家庭』では、それぞれの家族成員のプライバシー(私的領域)と一人の時間が適度に尊重されている。そして、家族と家族を結びつけるサブシステムでは、それぞれのプライバシーや内的世界を守るための『境界線』が引かれているのだが、『過保護・過干渉・母子一体化(甘やかし)』などの問題を抱えた家族ではその境界線が消えてしまう『纏綿(てんめん)』という状況が生まれやすい。

纏綿(てんめん, enmeshed)という言葉は現代では余り使われないが、綿と綿が絡まりあっている状態からの比喩で、『心にまつわりついて離れない・情緒的に複雑に絡まりあっている』という意味を持っている。

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[テンダネス・タブー(tenderness taboo)と男性ジェンダー]

テンダネス・タブー(tenderness taboo)と男性ジェンダー

タビストック研究所で精神分析や対人関係の研究をしていた分析家I.D.サティ(I.D.Suttie)が発見した男性心理の傾向性が『テンダネス・タブー(tenderness taboo)』である。タビストック研究所というのは、ロックフェラー財団のユダヤ資本やCIA(中央情報局)の諜報活動と深いつながりのある英米の総合研究所であり、その元々の母体は1947年9月に英国タビストック・クリニックのエリオット・ジャックスらが創設した研究機関だった。

莫大な資金力を有するタビストック人間関係研究所では、精神分析・精神病理学・臨床心理学など『人間の精神機能・行動選択・社会的相互作用』を解明するためのありとあらゆる研究が行われ、経済的なコンサルティングや人材開発、プロフェッショナル・デベロップメントなども同時に行われている。

タビストック研究所の最終目標は人間の心理や行動を技術的に制御する大衆操作(洗脳工作)だとも言われるが、世界各地の固有の地域文化をポップで自由なアメリカ文化を基準として、画一化・均質化させる『グローバリズム』にも関与していると噂されることもある。

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[電気ショック療法(electroshock therapy)・経頭蓋磁気刺激法(TMS)]

電気ショック療法(electroshock therapy)・経頭蓋磁気刺激法(TMS)

電気ショック療法は電気けいれん療法(electroconvulsive therapy:ECT)と呼ばれることも多いが、1938年にイタリアのツェルレッティビニによって開発された重症の精神病に対する治療法である。1952年に、フェノチアジン系の抗精神病薬(メジャートランキライザー)であるクロルプロマジンが、アンリ・ラボリによって発見されたことによって、身体的リスクのある電気けいれん療法の応用例は減っていった。

しかし、電気けいれん療法(ECT)は20世紀半ばまでは『重症の統合失調症・双極性障害(躁鬱病)・うつ病』に対して実施されていたのであり、現在でも長期の薬物療法で症状が改善しない重症の双極性障害やうつ病に対して一部の病院で実施されることがある。

電気ショックの精神症状に対する具体的な作用機序は解明されていないが、ECTが重症のうつ病や躁鬱病の症状を改善するというエビデンス(統計的な証拠)はあり、希死念慮を伴う極度の気分の落ち込みや精神運動制止を顕著に改善させたケースもある。

ツェルレッティらがECTの治療法を発想した背景には、統合失調症とてんかんが同時に発生しにくいという仮説があり、人為的にてんかん発作に似たけいれん発作を通電で発生させることによって、統合失調症を改善できると考えたのである。実際に、ECTの治療効果はあったのだが、20世紀後半までのECTは、麻酔を掛けずに頭部に電極を当てて強力な電流を通電させることが多く、その際に舌を噛んでしまったり手足をぶつけて骨折しまうようなトラブルが相次いだ。

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2010年05月21日

[てんかん(Epilepsy)と痙攣発作]

てんかん(Epilepsy)と痙攣発作

てんかん(Epilepsy)は、突発的なてんかん発作を主要な症状とする神経疾患(脳機能障害)であり、先天的・器質的な要因(脳の神経学的な情報伝達障害)によって発症する。脳の神経細胞(ニューロン)のニューラルネットワークの一部で、『過剰な興奮』が起こるという電気的伝達の異常(インパルスの過剰放電)によって、様々な強度・持続時間のてんかん発作が発生するのである。てんかんは人類の草創期から存在していた疾患と推測されており、古代ギリシア・ローマ時代のソクラテスやユリウス・カエサルもてんかん発作(小発作)を起こしていたのではないかという記録が残っている。

WHOのICD−10によるてんかんの定義は『種々の病因によってもたらされる慢性の脳疾患であり、大脳ニューロンの過剰な放電から由来する反復性の発作(てんかん発作)を主徴とし、それに変異に富んだ臨床ならびに検査所見の表出が伴う』とされており、脳炎や外傷による一過性で反復しない痙攣(けいれん)はてんかんには含まれない。てんかん発作の主な症状には、『痙攣(けいれん)』と『意識障害(意識レベルの低下・失神・記憶の部分的欠損)』がある。痙攣の不随意運動では、筋肉がガチガチに緊張する『強直性』のものと、断続的に痙攣を繰り返す『間代性』のものとがある。

大半のてんかん発作は一過性のもので、数分〜十数分程度で回復することが多く、生命に危険があるような発作は例外的である。但し、強直性の激しい大発作を断続的に何度も繰り返す『重積発作』の場合には、生命の危険もでてくるので専門医の救急医療・応急対処が求められることもある。脳内の異常発火の広がりによって、『全般発作』『部分発作(局在関連性発作)』の2つに分類されるが、全般発作は更に『大発作・小発作・ミオクローヌス発作』に分けられる。

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[転換性ヒステリー(conversion hysteria)]

転換性ヒステリー(conversion hysteria)

S.フロイトが精神分析研究の初期に経験・見聞した症例には、アンナ・Oやエリザベス嬢、ルーシー嬢など『転換性ヒステリー(conversion hysteria)』の症例が多かった。現代ではヒステリーというと、感情的に激しく興奮して現実的な判断や冷静な会話ができなくなる症状・性格のことを意味するが、19世紀当時のヒステリーは女性に特有の神経症(neurosis)の一種と認識されていた。

ヒステリーとは心理的原因や性格的要因によって情緒不安定になり、幼児的な依存性や自己顕示的な行動が増える疾患であり、手足の振るえや失立・失歩、言語障害、運動障害など身体症状が発症することもある。ヒステリーの身体症状の特徴は『知覚―運動系の機能障害』であり、S.フロイトはその身体症状の形成機序として無意識の力動と関係した『転換(conversion)』を仮定したのである。

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[精神分析の転移・転移性治癒(transference cure)]

精神分析の転移・転移性治癒(transference cure)

精神分析の自我防衛機制の一つとして『転移(transference)』があるが、転移とは過去の重要な人物(親)に向けていた強い感情を、現在の人間関係の中に向け変えるという心理機制である。転移には『過去の激しい感情の再現』『過去の親子関係の反復』といった要素があり、精神状態が発達早期に戻って幼児的な言動が増える『退行(regression)』の防衛機制とも強い相関がある。

転移には好意や愛情など肯定的な感情を向ける『陽性転移』と憎悪や怒りなど否定的な感情を向けてしまう『陰性転移』があるが、精神分析の心理療法では過去の人間関係や家庭環境の問題が反映される転移感情を分析することを重視している。

精神分析療法のコンテキスト(文脈)では、クライアントから分析家に向けられる強い過去の感情を『転移』といい、クライアントの影響を受けた分析家が抱いてしまう強い感情を『逆転移』と呼んでいて、フロイト以後は逆転移の精神療法への応用も認められるようになっている。

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[カウンセリングのテープ分析・セッションの録音録画によるカウンセリング教育]

カウンセリングのテープ分析・セッションの録音録画によるカウンセリング教育

カウンセリング(心理面接)のセッションのやり取りをテープに録音・録画して、その会話内容や受け答え、返答・指示などの効果について分析することを『テープ分析(tape analysis)』という。カウンセリングの面接過程の逐語的なやり取りを記録して、後でじっくりと一つ一つの言葉の持つ影響や意味を検討し直すことができるので、カウンセリングの学習者にとっては有効な教育法(訓練法)の一つである。『カウンセラーの言葉・対応・感情・見立て』と『クライアントの言葉・反応・感情・予測』の双方が、テープ分析において反省に基づく改善の対象になってくる。

かつては、『クライエント中心療法』を実施するロジェリアン(ロジャーズ派)のカウンセラーが好んでテープ分析を行っていたが、最近では教育機関におけるカウンセリングの学習法・研究法としてテープ分析が採用されることは減っている。

しかし、カウンセラー自身が先輩の熟練者から指導・分析やケースについてのアドバイスを受ける『スーパービジョン』では、スーパーバイジー(クライアント役)となるカウンセラーの面接過程をテープに録音して、スーパーバイザー(カウンセラー役)に検討してもらうこともある。

スーパービジョン(supervision)とは、心理臨床家(カウンセラー・セラピスト)の能力・資質・経験を高めるために実施される実践的な教育訓練方法(研修機会)であり、カウンセラーの能力の水準を維持するために定期的にスーパービジョンのような体験的トレーニングを受けることが推奨されている。

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2010年05月17日

[カウンセリングのリフレーミング(reframing)とデフレーミング(deframing)]

カウンセリングのリフレーミング(reframing)とデフレーミング(deframing)

カウンセリング用語として、物事や他者、コミュニケーションをある知的枠組みや特定の前提知識から見ることを『フレーミング(flaming)』という。人間は通常、物事や世界、コミュニケーションについて考えたり感じたりする時には、自分の知識や経験に基づいて形成された『フレーム(枠組み)』を通して考えたり感じたりしている。

問題事象や人間関係をフレーミングするということは、『特定の枠組み(固定観念・判断基準・常識性)』を通してそれらの問題や関係を解釈するということであり、カウンセリングの心的過程はこのフレーミングを自由自在に切り替えることで効果的に進むという側面がある。物事を見る視点や立場、価値観などのフレームを切り替えることを『リフレーミング(reframing)』といい、カウンセリングではクライアントの固定的な考え方や偏向した感情表現を改善させるためにリフレーミングの技法を用いることが少なくない。

リフレーミングは物事を見たり考えたりする『フレーム(枠組み)』を、自己否定的(悲観的)なものから自己肯定的(楽観的)なものへと切り替えることで、気分・感情・行動パターンを適切に改善していくので、認知行動療法や論理療法の治療機序にもつながる技法である。物事をポジティブな視点で捉えようとする『リフレーミング』の前段階において、物事や状況の客観的事実だけを取り出そうとする『デフレーミング(deframing)』という技法もある。デフレーミングというのは『枠組みを外してしまう』という意味である。

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[S.フロイトの徹底操作(working through)]

S.フロイトの徹底操作(working through)

S.フロイト(S.Freud, 1856-1939)が創始した精神分析は、クライアント本人が自覚的に思い出すことのできない『無意識の領域』を分析することによって、精神症状の緩和や心理的苦悩の改善を目指すものである。

S.フロイトが精神分析で治療したヒステリーの症例によれば、無意識の領域には『本人の認めたくない性的欲求・道徳的に受け容れがたい感情記憶』が抑圧されているという。その抑圧された『激しい感情や欲求』が、神経症の様々な心身症状(四肢麻痺・手足の振るえ・めまい・吐き気など)に転換されるというのが、精神分析の病理学の基礎理論である。

S.フロイトは『無意識的欲求の抑圧』によって発症する神経症(精神障害)を精神分析で治療する技法として、無意識的内容を想起させる『自由連想法・夢分析(夢判断)』を用いた。頭に思い浮かぶことは何でも話すという『自由連想』、顕在夢に出現したイメージや人物、物語などを無意識的欲求の変換(象徴化・置き換え・圧縮)として理解する『夢分析』によって、『無意識の意識化(無意識の言語化)』ができるというのが精神分析の治療論である。

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[適性検査(aptitude test)]

適性検査(aptitude test)

『ある特定の課題・活動』を適切に遂行するために必要な能力や技術を習得する可能性のことを『適性(aptitude)』という。簡単に言えば、適性とはある仕事や課題に対する『向き・不向き』のことであり、適性が高ければその仕事・作業の課題を達成しやすくなり、その仕事領域・作業分野への適応性も高くなるのである。『広義の適性』と言うときには、仕事領域や職業分野全体に適応しやすいかどうかという基準で考え、『知能・体力・性格特性・興味関心』などがその適性に関係してくる。

『狭義の適性』と言うときには、特定の活動・課題を効果的に遂行できる『特殊能力・特別なスキルの有無』が問題にされることが多い。この特殊能力や特別なスキル・経験を総称する言葉として『特殊性能(specific ability)』という概念が用いられることがある。

広義の適性を判定する時に用いられる適性検査は、『体力・体格・生理・感覚・運動・知能・性格・興味関心・価値観』などの幅広い分野に及ぶ検査である。狭義の適性となる特殊性能を判定する時に用いられる適性検査は、専門性が高くなる傾向があり、『運動能力・計算能力・機械やIT機器の操作・自動車や航空機の運転・音楽・芸術・外国語・物理学や生物学の実験』などさまざまな専門分野の適性検査が存在していて形式化されている。

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2010年05月04日

[記憶実験の適中法(prompting method)]

記憶実験の適中法(prompting method)

認知心理学や基礎心理学の記憶実験で用いられる方法の一つが『適中法(prompting method)』であり、手がかりの呈示によって記憶内容を想起させようとする方法である。厳密には、単純な記憶の検査ではなくて、連合学習による記憶の検査に用いられる方法であり、適中法は『対連合法』と呼ばれていて、児童向けの各種知能検査でも絵柄を対呈示して覚えさせる『記憶(連合学習)の問題』が取り入れられている。

人間の短期記憶は『記銘−保持−想起,記銘−保持−忘却』のプロセスによって説明されるが、反復学習や日常的な想起によって、記憶保持の期間が長期化して固定すれば、忘却が起こりにくい長期記憶へと移行する。適中法では、『二つの記銘する材料』を同時に呈示して、想起テストを実施する時にどちらかひとつの材料だけを手がかりとして与え、もう一つの材料を当てさせる(適中させる)というものである。

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[テスト・バッテリー(test battery)と心理検査]

テスト・バッテリー(test battery)と心理検査

臨床心理学の心理検査(心理テスト)には、『知能検査・性格検査(パーソナリティ検査)・発達検査』の分類があり、それぞれの心理検査にはビネー式知能検査やウェクスラー式知能検査、ロールシャッハテスト、TAT、MMPI、ユングのタイプ論の性格テストなど様々な種類の心理測定尺度(心理評価尺度)がある。心理テストを用いて、クライアントの心理状態や性格構造、精神疾患をより適確に検査しようとする臨床的行為を『心理アセスメント』と呼ぶ。

心理検査は特定の目的を達成したり、必要なデータを取得するために、1種類だけの心理テストが実施されることもあるが、被検者の複雑な性格や知能、精神病理などを理解するために複数の心理テストを組み合わせて実施することも少なくない。このように被検者(クライアント)の心理状態や知能発達水準、精神疾患の可能性などをより正確に判定するために、複数の心理テストを組み合わせることを『テスト・バッテリー(test battery)』という。

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[デス・エデュケーション(death education),死生学]

デス・エデュケーション(death education),死生学

高齢化社会の進展によって、余命が宣告される臨死患者の増加や病死までの期間の長期化が起こっており、“自己の死”に心理的に備えるための『デス・エデュケーション(death education)』が要請されている。デス・エデュケーションというのは、『生と死の教育』であり『自己の死の準備教育』であるが、個人の感覚的で実際的な『死生観』に基づいてこの教育は展開される。

一般的な死の概念と意味について客観的に考察するのは『死生学(タナトロジー)』であり、自分自身の死の意味(宿命)について考察しながら、死を受け容れる心理的構えを形成する『デス・エデュケーション』とは区別される。デス・エデュケーションとは主観的な学びであると同時に、現実的な死の理解と受容であり、いつかは訪れる『自分自身の死』について対処可能な心理状態を形成するために行われる教育である。

現代社会では、『人間の死』は生活空間や一般社会から完全に隠蔽されており、『病院・クリニック』の中でしか死の現象を観察することはできない。『死の存在』や『死に至るまでの不安・絶望・苦悩』が病院施設と医療関係者の中に隔離されてしまっているので、私たちは日常の中で『死の現実・不安』と向き合う機会がかなり減っており、『自分自身の死』の接近に対して十分な心理的備えができないという問題がある。

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[テクノストレス(テクノ不安症・テクノ依存症)]

テクノストレス(テクノ不安症・テクノ依存症)

アメリカの臨床心理学者であるクレイグ・ブロード(C.Brod)は、コンピュータなどIT機器の利用やインターネットの利用によって生じる精神的ストレスを『テクノストレス(technostress)』と呼んだ。情報化社会の始まりやオフィスへのパソコン導入によるOA化(オフィスオートメーション化)によって、テクノストレスによる心身の不調が注目されたが、インターネットとパソコン、携帯電話の普及が進むにつれて、『IT機器・ウェブへの苦手意識』の結果として生じるテクノストレスの問題は減っている。

オフィスのパソコン導入によるオートメーション化が進む途中では、パソコン操作やOA機器の取扱いに適応できなかった中高年の管理職者などが『OA症候群』というテクノストレスに由来する自律神経失調症・心身症を発症したこともあったが、現在ではパソコンやOA機器を利用することが当たり前になっている。パソコンや携帯電話によるウェブへのアクセスが日常的になった現在では、テクノストレスの問題は『テクノ依存症』に集中するようになってきていて、ウェブを利用していないと不安感や孤独感、焦燥感が強まるという精神状態が見られやすくなっている。

テクノストレスの概念を提唱したクレイグ・ブロードは、テクノストレスの結果として生じる精神症状として『テクノ不安症』『テクノ依存症』の2つを上げている。IT機器やパソコン、インターネットに適応できないことによって発症する精神疾患が『テクノ不安症』であり、自分の仕事や役職に自信が持てなくなって不安感に絶えず襲われたり、頭痛やめまい、吐き気、下痢、睡眠障害、食欲不振などの自律神経失調症に苦しめられる症状がでてくる。

テクノ不安症は、コンピュータやインターネットを使い慣れておらず親近感が持てないという『苦手意識』が根本原因となって発症する精神障害なので、日常的にパソコンやケータイ、ウェブを利用する環境で仕事をして生活をしていれば自然に治癒してしまうことのほうが多い。『テクノ依存症』はコンピュータやインターネットに過剰適応してしまい、オフラインの現実生活や人間関係への関心・意欲が乏しくなるという精神疾患であり、現代では『ネット依存症・ネトゲ依存症(オンラインゲームへの依存症)』などの問題が取り上げられることが多い。

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2010年05月01日

[A.W.コームズの適正なパーソナリティ(adequate personality)]

A.W.コームズの適正なパーソナリティ(adequate personality)

A.W.コームズの[開放系市心理学]というのは、研究・実践の自由度が高くて、特定の目標が定義されていない心理学のことであり、カール・ロジャーズやアブラハム・マズローのヒューマニスティック心理学(人間性心理学)などが開放系心理学に該当する。カウンセリング技法の分野では、S.フロイトの精神分析やV.E.フランクルのロゴセラピー(実存療法)といった非構造化面接の技法が開放系心理学として分類されることがある。

開放系心理学は、特定の問題解決にこだわらない『発見志向(探索志向)の心理学』であり、新たな事例や変化の発見を対人援助技術(人格性の成長)に応用するという部分に重点が置かれている。開放系心理学の研究・実践は科学的なものではなくて、臨床的でヒューマニスティックなものであるが、開放系心理学と対照的な分野として検証可能性を重視する『閉鎖系心理学』というものがある。

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2010年01月22日

[適応行動尺度(adaptive behavior scale)と適応能力]

適応行動尺度(adaptive behavior scale)と適応能力

臨床心理学や精神医学における『適応(adjustment)』については過去の記事で説明したが、適応とは活動する環境に対して適切な働きかけや態度を取ることができ、他者(環境)から肯定的な結果・評価を引き出すことができるということである。社会生活においては個人の発達段階・生活年齢に応じて、『幼稚園(保育園)・学校・企業・集団生活・職業活動・恋愛関係・結婚生活・老年期』など様々な環境や状況への適応を迫られることになる。

環境に適応した行動・態度とは『TPOに相応しい効果的(有効)な行動』であり、『周囲の常識や期待に一定水準で応える態度』であるが、自分で働き出す成人になると与えられた環境(人間関係)にそのまま適応する人もいれば、新たな自分が適応しやすい環境(人間関係)を作り上げてしまう人も出てくる。

幼児期から思春期に掛けては『学校環境・集団規範・学習行動への適応』を余儀なくされるので、与えられた環境に適応できない子どもは問題児と見なされたり実際的な不利益が多くなってしまう。

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2010年01月12日

[DINKS(Double Income No Kids:ディンクス)とDEWKS]

DINKS(Double Income No Kids:ディンクス)

DINKS(ディンクス)とは、子どものいない共働きの夫婦世帯やそのライフスタイルのことである。DINKSは「Double Income No Kids」の略称である。夫婦それぞれが職業生活をしているので二つの収入源(ダブルインカム)があるが、子どもがいないために一般的に『可処分所得』が多くて『消費性向』が高いといわれている。子どものいない全ての夫婦を指す場合もあるが、狭義には意識的に子どもを持たない選択をしている共働きの夫婦のことをDINKSと呼ぶことが多い。

かつては結婚した夫婦は『子ども』を持つのが当たり前(誰もが自分の子どもを欲しいと思うはず)という社会通念があったが、意識的に子どもを持たない選択をして二人だけの共同生活を楽しむ夫婦が出てきたことで『DINKS(ディンクス)』という社会学的な用語が使われるようになった。DINKSの夫婦が子供を持たない理由はさまざまであるが、双方が職業キャリアを継続したいと願っていたり、子ども・育児自体に関心(欲求)が少なかったり、子どもそのものが好きではなかったり、夫婦だけの生活をのんびり楽しむことに価値を見出していたりといった理由がある。

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2009年12月22日

[心理学における適応(adjustment)・不適応(maladjustment)]

心理学における適応(adjustment)・不適応(maladjustment)

臨床心理学や精神分析で『精神の正常性・異常性』を判断する一つの指標として、『適応(adjustment)』がある。『適応』は自分が生活や活動をする『環境(environment)』に対して行われるが、環境には『対人関係・家庭生活・学校生活・職場生活(企業生活)・集団行動・物理的環境』などさまざまな要因を想定することができる。

環境に適応している状態とは、『環境(状況・他者・集団)に対して適切で有効な行動・反応ができている状態』のことであり、適応状態では『感情や気分の安定・自己効力感(セルフエフィカシー)・自己肯定感・ポジティブな周囲からの評価(認識)』などの特徴が見られることになる。人間が環境にスムーズに適応している時には、その環境から『肯定的なフィードバック(評価・反応)』を得ることができるので、精神状態が安定しやすくなり、自分に自信を持ってその環境に『居場所・アイデンティティ』を見つけやすくなると言える。

心理臨床やカウンセリングで問題(主訴)になりやすいのは『学校・職場・家庭への適応問題』であり、学校に不適応になれば『不登校・ひきこもりの問題』、職場に不適応になれば『失業・ニート(無職)の問題』、家庭に不適応になれば『離婚・DV(家庭内暴力)・児童虐待の問題』が起こりやすくなる。

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