現代の群衆社会とノイズ(騒音)の暴力の氾濫:暴力・死・他者への無関心
聴覚を刺激する『ノイズ(騒音)の暴力』の特徴として、『不快な視覚刺激の暴力』よりも意識して回避することが難しいということがある。見苦しい景色や不快なテレビ番組、見たくない醜悪な事物などに対しては、私たちは『視線を逸らす・目を閉じる・違うものを見る』などによって意識的に不快な視覚刺激を回避することができるが、ノイズ(騒音)の暴力は耳をふさいでいても侵入してくるので基本的に避けることが極めて困難なのである。
現代社会には『無数の都市・群衆・音楽・テレビ・宣伝広告が出してくるノイズ』が充満しており、特に都市生活者は次第に『音の暴力性(聴覚の暴力的刺激)』に順応していくことになるが、これが現代社会における『様々な暴力(公害・自動車事故・労災・過労死などの非業の死)』に対する不感症の一因になっているのだという。
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