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2015年10月14日

[広汎性発達障害(PDD)の原因と生涯有病率・男女の発症率の差]

広汎性発達障害(PDD)の原因と生涯有病率・男女の発症率の差

広汎性発達障害(自閉症性障害)の発症年齢は“3歳以前の発達早期”とされ、その原因は親の育て方・愛情や友達との接し方といった『環境要因(後天的要因)』ではなく『生物学的要因・遺伝要因(生得的要因)』と考えられるようになっている。

広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders:PDD)の『ローラの3つ組』:乳幼児期の発達障害

広汎性発達障害が『自閉症(autism)』として研究されていた初期には、統合失調症の早期発症例や『冷蔵庫マザー(愛情表現・優しさが足りない母親)』の育て方の失敗の問題として扱われることのほうが多かったが、現在ではそういった母子関係や育て方の環境要因によって広汎性発達障害が発症するという考え方は完全に否定されている。統合失調症と広汎性発達障害(PDD)も、その特徴が異なる精神疾患(発達障害)として整理し直されているのである。

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[広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders:PDD)の『ローラの3つ組』:乳幼児期の発達障害]

広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders:PDD)の『ローラの3つ組』:乳幼児期の発達障害

広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders:PDD)は、知能・言語・コミュニケーション・社会性・想像力などの能力の発達が全般的に停滞する先天性の発達障害であり、『自閉症スペクトラム』の発達障害の概念や問題とも重複している。

広汎性発達障害(PDD)の中核的障害として『自閉症性障害(Autistic Disorders)』があるとも言えるが、自閉症研究者のローナ・ウィングの名前から、『ウィングの3つ組』とも呼ばれる広汎性発達障害の典型的な3つの特徴は以下のようなものである。

1.対人関係の障害(社会性の障害)

2.コミュニケーションの障害(言語機能・ノンバーバルな意思疎通の障害)

3.イマジネーションの障害(こだわり行動・興味の偏りや固執)

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2015年06月04日

[パーソナリティー障害の治療法と“bio-psycho-social model”の基本原則]

パーソナリティー障害の治療方略と“bio-psycho-social model”の基本原則

パーソナリティー障害の人の心理療法的・カウンセリング的な治療では、他の精神障害や心理的問題(悩み)と同じく、心理療法家(カウンセラー)とクライエント(パーソナリティー障害の人)との間に『ラポール(相互的な信頼感・安心感)』を形成することがまず大切になる。

パーソナリティー障害(人格障害)の人は、他者に対する不信感や緊張感が強くて、情緒的に落ち込んだり動揺(混乱)したりしやすいので、初期の段階で心理療法家がラポールを形成することで、その後の心理療法(カウンセリング)のセッションに対する動機づけを高めてスムーズに話し合いを進める関係性の土台を作りやすくなる。

パーソナリティー障害の特徴の一つは、自らの人格構造の歪みや性格傾向の偏りに対して、つらいとか居心地が悪いとかいう『自我違和感』を感じにくいということがある。つまり、自分で自分の性格傾向の異常性や社会生活への不適応感について自覚することが難しいために、『自分の性格行動パターンについて悩んで相談したいと思うこと』がほとんどないということである。

パーソナリティー障害の人の、自分の性格上の偏りに対する自覚の無さ(自我違和感の無さ)あるいは自分の性格傾向(人格構造)に対する悩みの無さは、『パーソナリティー障害の人の治療の動機づけの低さ』につながっている。それは、パーソナリティー障害の人は、自分から自分の性格特性や人間関係に悩むことがなく、自分から進んで精神科・心療内科・心理療法家(カウンセラー)を訪ねて治療を受けたいと思うことがほとんどないということを意味している。

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[パーソナリティー・ディメンジョンに基づく人格特性の理解:P.T.コスタとR.R.マクレーの5因子モデル]

パーソナリティー・ディメンジョンに基づく人格特性の理解:P.T.コスタとR.R.マクレーの5因子モデル

ディメンジョン分類に基づく人格理論(人格分類)を、『パーソナリティー・ディメンジョン(personality dimension)』と呼ぶことがある。類型的(タイプ的)に精神疾患やパーソナリティー障害を分類する『カテゴリー分類(範疇的分類)』に対して、定量的な数値(パーセンタイル)でその精神疾患やパーソナリティー障害の水準を分類する方法を『ディメンジョン分類(次元的分類)』と呼んでいる。

DSM-W-TRのパーソナリティー障害(人格障害)の分類とディメンジョン分類

パーソナリティー・ディメンジョンとは、正常な精神状態・性格傾向と各種の精神障害やパーソナリティー障害が完全に異なるものではなく(それらの間に正常と異常の分かりやすい明確な境界線があるわけではなく)、一つながりの連続線上にあるという『自閉症スペクトラム』のような考え方の理論である。

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[DSM-W-TRのパーソナリティー障害(人格障害)の分類とディメンジョン分類]

DSM-W-TRのパーソナリティー障害(人格障害)の分類とディメンジョン分類

パーソナリティー障害と精神病の臨床的な鑑別診断では、『統合失調症の陽性症状を中心とする急性期』『うつ病の意欲減退・無気力・無関心を中心とする人格変容(精神運動制止)』との鑑別が重要になってくることが多い。アメリカ精神医学会(APA)が編纂する国際標準化したマニュアル診断のDSMに、パーソナリティー障害(人格障害)が採用されたのは『DSM‐Vの多軸診断』からである。

DSMのパーソナリティー障害(人格障害)の分類とエピソード的(挿話的)な発症プロセス

1980年のDSM‐Vでは精神疾患全般の分類を網羅的にカバーして診断項目を列挙するために、第1軸〜第5軸までの『多軸診断』を採用することになり、その第2軸に『パーソナリティー障害(人格障害)』が配置されることになったのである。DSM-Vでは11のパーソナリティー障害のタイプが挙げられ、1986年に改訂されたDSM‐V‐Rでは更に2つの新たなパーソナリティー障害が付録として付け加えられた。

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[DSMのパーソナリティー障害(人格障害)の定義とエピソード的(挿話的)な発症プロセス]

DSMのパーソナリティー障害(人格障害)の定義とエピソード的(挿話的)な発症プロセス

パーソナリティー障害(personality disorder)とは、性格傾向が平均的な性格(人格)と比較して過度に偏っている問題であり、その偏り・歪みによって社会生活や人間関係が障害されることになる。“パーソナリティー(personality)”というのは、その個人を特徴づける一貫性と持続性のある『認知・思考・感情・行動・対人関係のパターン』のことであり、性格心理学において一般的に『性格行動パターン』と呼ばれるものに類似している。

パーソナリティー障害に見られる性格傾向・人格特性の過度の偏りは、生活環境・人間関係に対する適応能力を低下させる。その影響で、感情・気分が適切にコントロールできなくなって情緒不安定になったり、妄想的な不安や強迫的な観念に苦しめられたり、他者に対する依存心や無関心によって人間関係が上手くいかなくなったりもする。

かつてはパーソナリティー障害は。『人格障害』と表記されることのほうが多かった。しかし近年、『人格』という日本語の言葉には『道徳的・人間性的な価値判断(ヒューマニスティックな人間性の高低や善悪にまつわる価値判断)』が含まれているので、人格に欠陥や問題があるという誤解を避けるために『人格障害』という障害名は使わないほうが良いという批判が多くなり、そのまま英語で『パーソナリティー障害』と表記されることが増えている。

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2015年03月11日

[ハインツ・ハルトマンの自我心理学と『自我(エゴ)の適応』]

ハインツ・ハルトマンの自我心理学と『自我(エゴ)の適応』

精神力動論(psychodynamics)に基づく精神分析では、『精神の健康性(人格の正常性)』は外的な環境や他者に社会的・道徳的に望ましい形で対応するという『自我(エゴ)の適応』によって維持されていると考える。

精神分析・精神力動論と『連続性の原理(continuity principle)』

精神分析の創始者であるジークムント・フロイトは、自然科学主義的な態度に依拠して理論を提唱しており、『自我の適応のモデル』になったのは多様で可変的な自然環境に適応して生存・生殖を維持しようとする『進化論的・生物学的なモデル』だとされている。

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2014年07月09日

[マイケル・バリント(Michael Balint)]

マイケル・バリント(Michael Balint)

ハンガリー生まれのイギリスの精神分析家・精神科医のマイケル・バリント(Michael Balint,1896-1970)は、発達早期の母子関係と精神疾患の相関の研究や発達早期のトラウマ(基底欠損と呼んだ愛情剥奪)に対する治療論などで知られている。精神分析を用いて精神疾患(神経症)の患者を治療しただけではなく、精神科医(開業医)向きの治療法の指導やワークショップ的な研修活動などにも注力した。

1920年にブダペスト大学医学部を卒業して、精神科医としてベルリンで勤務してから、S.フロイトの直弟子であるフェレンツィ・シャーンドルに師事して教育分析を受けている。ロンドン移住後、後年のマイケル・バリントは『薬ではなく医者という薬によって患者は治る』という新しい医療のコンセプトを提示して、その医療を『全人的医療(ホリスティック医療, Whole person medicine)』と名づけた。

M.バリントの精神分析理論における『基底欠損』とは、早期発達過程の母子関係において愛情や保護を受けられなかったために発生する心的構造の欠損であり、従来の精神分析療法の対象外とされていたものである。基底欠損を持っている人は、神経症を発症するリスクが有意に高くなるだけでなく、退行の防衛機制によって幼児的な言動が見られたり、成人レベルの言語的コミュニケーションが不可能になったりする。

M.バリントは基底欠損を原因とする神経症症状を、『原始的二者関係(幼児退行による母子関係の反復)』として解釈しており、基底欠損のあるクライエント(患者)を治療するには母親役割を代替するような共感的・支持的な対応が必要になってくるとした。

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[ハインツ・ハルトマン(Heinz Hartmann)]

ハインツ・ハルトマン(Heinz Hartmann)

ハインツ・ハルトマン(Heinz Hartmann)は、オーストリアのウィーン生まれのユダヤ系の精神科医で、ナチスドイツの迫害に遭って1941年にアメリカに渡っている。S.フロイトの末娘アンナ・フロイトと並んで、精神分析の主流だった自我心理学派の重鎮として知られ、葛藤に対する自我防衛機制ではない『強い自我(健全な自我)』についての臨床的な研究を進めた。

H.ハルトマンは、自我防衛機制とは異なる『思考・知覚・記憶・運動制御』といった自我の適応機能に注目して、現実原則(外的現実)に適応しようとする自我の機能と構造を明らかにしようとした。ハルトマンは自我機能を大きく『一次的自律機能』『二次的自律機能』に分類して、人間の自我には基本的な外界(外的現実)の認識機能だけではなくて『後天的な学習能力・応用能力』があるとした。

H.ハルトマンの定義する自我の『一次的自律機能』とは、『知覚・思考・言語・認知・記憶』などに代表される外的現実を認識するための機能のことである。『二次的自律機能』とは、後天的な経験・学習によって新しい知識や適応方略を身につけていく機能(現実に対する応用的な対処能力)のことである。

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[フレデリック・パールズ(Frederick S. Perls):2]

フレデリック・パールズ(Frederick S. Perls):2

1962年にパールズ夫妻は世界旅行に出発して、日本にもやって来て東京と京都を訪れている。古都・京都の仏教文化や街の風情を気に入ったパールズは、大徳寺に2ヶ月間も滞在して座禅修行に取り組んだというが、ゲシュタルト療法には元々、東洋思想的な瞑想や座禅、心身一如などの要素が取り込まれていた。フリッツ・パールズは東洋の仏教思想や神秘主義にも関心を持っており、瞑想的な精神統一や心身の気づきの技法をゲシュタルト療法にも採用している。

フレデリック・パールズ(Frederick S. Perls):1

ゲシュタルト療法は、ユージン・ジェンドリンのフォーカシングやカール・ロジャーズの来談者中心療法(クライエント中心療法)と共に、『人間性心理学(ヒューマニスティック心理学)』に分類されることが多い。

F.パールズは世界旅行を終えた後に、エスリン研究所のレジデントとして採用され、この研究所では仏教思想・ヨガ・瞑想・神秘主義・宗教的体験などの東洋思想を、心理療法(サイコセラピー)や集団精神療法(エンカウンターグループ)と結びつけようとする創造的な研究に取り組んでいた。

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[フレデリック・パールズ(Frederick S. Perls):1]

フレデリック・パールズ(Frederick S. Perls):1

フレデリック・サロモン・パールズ(Frederick S. Perls, 1893-1970)は、ナチスドイツから亡命してオランダ・南アフリカ共和国・アメリカで活躍した精神科医・精神医学者である。ナチスドイツの迫害を避けて、1933年にオランダへ亡命したが、更に1935年に南アフリカのヨハネスブルグに移住して、妻ローラと一緒に精神分析研究所を開業した。

医師になってすぐの時期に精神分析の訓練を受けたが、その後に独自の『ゲシュタルト療法(Gestalt therapy)』の理論的・臨床的な研究を行い始めた。フレデリック・パールズはユダヤ系ドイツ人であるが、略称のフリッツ・パールズを自分で用いることも多かった。ゲシュタルト療法の創設者はフリッツ・パールズとローラ・パールズの夫妻とされている。

1946年の夏には、アメリカのニューヨークに渡ることを決めて、はじめ『ウィリアム・アレンソン・ホワイト精神分析研究所』で精神分析的な臨床活動に従事していたが、この時には既に53歳であった。精神分析的な心理療法を行った後に、全米を回る講演・ワークショップ(デモンストレーション)の仕事をしながら、独自のゲシュタルト療法の理論・技法を啓蒙的に広めたり、後進のセラピストを育成したりした。

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2014年06月28日

[セルヴィニ・パラツォーリ(Mala Selvini Palazzoli)]

セルヴィニ・パラツォーリ(Mala Selvini Palazzoli)

イタリアの家族療法の女性精神科医セルヴィニ・パラツォーリ(Mala Selvini Palazzoli)は、家族療法の分野で『ミラノ派(システミック派)』を創始した主要メンバーの一人である。家族療法は、家族を個人(要素)が集まって相互作用を及ぼしあう『一つのシステム(集合体)』と見なす家族システム論を前提としている。

パラツォーリは特に家族の中での『悪者探し』を否定していて、家族の特定の誰かが悪い(病気)なのではなく、他の家族とのコミュニケーション(意思疎通)の障害・悪影響によって問題が生み出されているのだとした。セルヴィニ・パラツォーリのミラノ派(システミック派)の家族療法は、『戦略的家族療法』と呼ばれるように、戦略的に家族間の相互作用の問題点(ある家族が他の家族に与えている悪影響)を解決していこうとする特徴を持っている。

『問題を持つ誰か(悪者・病者)』を家族の中で探すのではなく、戦略的にそれぞれの家族が請け負っている役割とおよぼしている影響を分析して、家族システムを正常化していくことがミラノ派の家族療法の目的なのである。パラツォーリは家族同士がお互いに悪影響を与え合っている(ある家族が別の家族の悪い部分を引き出している)という循環的な構造に気づいてもらうために、『循環的質問法』と呼ばれる質問法を開発している。

家族療法における循環的質問法は、『自分の言動が他の家族にどんな影響を与えているか考えてみてください・いつも家族にどんな言葉をかけたりどういった態度を取っているか思い出してみてください』といった質問項目であるが、これらの質問は『家族システムにある循環的構造(お互いが悪影響を与え合ってぐるぐる循環している構造)』に気づいてもらうため(気づいて変わってもらうため)のものである。

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[チェスター・バーナード(Chester Barnard)]

チェスター・バーナード(Chester Barnard)

アメリカの電話会社社長で経営学者のチェスター・アーヴィング・バーナード(Chester Irving Barnard, 1886-1961)は、科学的管理法のフレデリック・テイラーと並んで評価されている組織論・システム管理論の古典的な経営学者である。

チェスター・バーナードは1938年に著した主著『経営者の役割(The Functions of the Executive)』において、企業で働く労働者を初めて『企業の部品的な道具(命令に従うだけの存在)』ではなく『自由な意思を持つ個人(自発的に協働しようとする存在)』として扱ったとされる。バーナードのいう『組織』とは意識的に調整された2人以上の人間の活動と諸力の体系を指している。その組織を生産的かつ効率的に成立させるためには、以下の3要件が必要となる。

1.共通の目的……『企業の目的』と『自分の目的』との間に共通性や納得感があること。企業の経営理念や営業目的(価値創出)に対して、その実現に自分も協力して貢献していきたいと思わせる『目的・価値観の共通性』があること。

2.貢献意欲(協働意志)……組織のメンバーは、自分と共通点のある『組織の目的』を達成するために、積極的に貢献しようとする意欲を持っていなければならない。組織のメンバー同士は、組織の目的や自分の目標を達成するために、お互いに助け合って働く協働をしなければならない。『自分がした貢献』よりも『組織から与えられるもの』が大きい時には、特に高い貢献意欲が引き出されることになる。

3.コミュニケーション……組織内で正確な情報を伝達して共有し、その情報を元にしてメンバー間の意思疎通(対話・交流)を円滑にしていること。コミュニケーションが活発で円滑な組織は、自分と他のメンバーとの『共通の目的』を認識しやすくなり、お互いが協力し合って組織・仲間のために頑張ろうという貢献意欲(協働意志)が引き出されやすくなる。

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2014年06月19日

[フレデリック・ハーツバーグ(Frederic Herzberg)]

フレデリック・ハーツバーグ(Frederic Herzberg)

アメリカの心理学者であるフレデリック・ハーツバーグ(Frederic Herzberg,1923-2000)は、職業活動の分野におけるモチベーション(内発的動機づけ)の上昇と低下について、『動機づけ要因(MotivationのM要因)』『衛生要因(HealthのH要因)』から説明しようとする『二要因理論(MH理論,1966年)』を提唱した。フレデリック・ハーツバーグは、フレデリック・ハーズバーグと表記されることもある。

F.ハーツバーグは、人間は満足(快感)を求めて行動を起こそうとするモチベーションを持っているとして、以下のような仕事上の満足感に影響を与えそうな『10個の要因』を選び出した。その上で、アメリカのピッツバーグで200人のエンジニアと会計士を対象にして仕事の満足度に関する面談形式の質問調査を実施し、それぞれの要因に対する満足感と不満感の割合を聞き出している。

達成感を感じること……満足感45%・不満感5%

承認を感じること……満足感30%・不満感15%

仕事内容……満足感25%・不満感15%

作業条件……満足感0%・不満感10%

上司との人間関係……満足感5%・不満感15%

昇進昇格……満足感20%・不満感10%

責任のある仕事……満足感20%・不満感5%

給料……満足感15%・不満感20%

管理・監督の方法……満足感5%・不満感20%

会社の経営方針……満足感5%・不満感35%

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[ゴードン・ハミルトン(Gordon Hamilton)]

ゴードン・ハミルトン(Gordon Hamilton)

アメリカのケースワーカーで社会福祉の研究者であるゴードン・ハミルトン(Gordon Hamilton, 1892-1967)は、先達のM.E.リッチモンド(M.E.Richmond)が個別の社会的困窮者を支援するための社会福祉の実践方法として考えた『ケースワーク(casework)』を理論的・科学的に整理して運用可能にした人物である。

ゴードン・ハミルトンは豊富な臨床経験・援助体験を持っているだけではなく、社会福祉活動やケースワークの方法論を普及させるための教育活動や調査研究にも力を入れていた。G.ハミルトンはそれまで経験や勘(直感)に頼りがちだった社会福祉援助のケースワークに、『科学的根拠・専門的対応・理論的体系』を導入する活動を熱心に行った。

G.ハミルトンは、要支援者が必要としている援助・支援のあり方を科学的に判定する精神医学モデルを参照した『診断主義的ケースワーク(diagnostic casework)』を目指して、診断主義的ケースワークの理論体系・実践方法を構築するための著作・論文を数多く書いている。G.ハミルトンには、ケースワークのバイブル(模範的な教科書)とも言われた『ケースワークの理論と実際(Theory and Practice of Social Casework)』という代表的な著作がある。

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2014年06月05日

[ロバート・ジェイムズ・ハヴィガースト(Robert James Havighurst)と発達課題:2]

ロバート・ジェイムズ・ハヴィガースト(Robert James Havighurst)と発達課題:2

R.J.ハヴィガーストは、『乳幼児期・児童期・青年期・壮年期・中年期・老年期』の発達課題を以下のように細かな項目に分類して詳しく整理している。しかし、社会的性差であるジェンダーの無条件の内面化や男らしい(女らしい)行動の学習が前提にされている部分など、現代の先進国のジェンダーフリー・個性教育と対立的な発達課題もある。20世紀半ばの時代背景も踏まえて、『男性の正規雇用の就職・ほとんど義務的な女性の結婚と出産』が前提にされていたりもする。

ロバート・ジェイムズ・ハヴィガースト(Robert James Havighurst)と発達課題:1

乳幼児期の発達課題

1.歩行の学習

2.授乳から固形食(離乳食・一般食)への移行

3.言葉の学習

4.大小便の排泄行為の自律(統制)とトイレトレーニングによる習慣づけ

5.男女の性差と性の恥じらいの学習

6.生理的安定の獲得

7.社会や物事についての単純な概念と理解の形成

8.両親・兄弟姉妹をはじめ、他人と自分との情緒的な結びつき

9.善悪・正誤の大まかな分別と良心(思いやり)の発達

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[ロバート・ジェイムズ・ハヴィガースト(Robert James Havighurst)と発達課題:1]

ロバート・ジェイムズ・ハヴィガースト(Robert James Havighurst)と発達課題:1

アメリカの教育学者・心理学者であるロバート・ジェイムズ・ハヴィガースト(Robert James Havighurst)(Robert James Havighurst, 1900-1991)は、発達心理学と教育心理学の分野で多くの理論的貢献をした。ドイツ系移民の子孫であるR.J.ハヴィガーストは、アメリカ合衆国ウィスコンシン州の町ディペレ(Depere)に生まれ、1924年にオハイオ州立大学で物理化学の博士号の学位を取得している。

R.J.ハヴィガーストはポスドクでハーバード大学のフェローとして働いていたが、1924年にウィスコンシン大学物理学部の助教授に就任してから、次第に教育学の分野に活動の舞台を移していった。ロックフェラー教育財団に勤めるようになった頃から、教育学・発達心理学が物理学に代わるハヴィガーストの専門分野になっていく。1940年に、シカゴ大学の教育学教授に就任して、児童発達研究部門で研究に従事することになり、人間の心身発達や教育問題に精力的に取り組んだ。

R.J.ハヴィガーストの最大の功績は発達心理学の分野で、『発達段階に対応する発達課題(developmental task)』の概念を提唱したことである。発達課題とは、個人が健全な心身の発達を遂げて社会に適応するために、発達段階のそれぞれの時期に達成することが期待されている課題(能力・役割)のことである。

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2012年10月11日

バージニア・アクスライン(Virginia M. Axline)

バージニア・アクスライン(Virginia M. Axline)

バージニア・アクスライン(Virginia M. Axline,1911-1988)は、『カウンセリングの始祖・カウンセリングの神様』と呼ばれたカール・ランサム・ロジャーズ(Carl Ransom Rogers,1902-1987)に師事して学んだ女性の児童精神療法家である。カール・ロジャーズが創始した非指示的療法であるクライエント中心療法(来談者中心療法)の原理を、幼児・児童を含む子どもを対象にした児童心理療法(遊戯療法)に応用したという功績で知られる。

バージニア・アクスラインは、子どもの内面・環境・関係を最優先して共感する児童中心療法としての遊戯療法を提唱して、『子どもの遊び』に投影される無意識的な心理内容(親子関係)や感情コンプレックス(トラウマ)を自然な解釈で分析しようとした。V.M.アクスラインは非指示的遊戯療法や児童中心的遊戯療法を『自由で保護された環境』で実施して、子どものありのままの感情や認知(物事の捉え方)が遊びの世界に投影されやすくした。

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2012年09月12日

ハンス・アイゼンク(Hans Jurgen Eysenck)

ハンス・アイゼンク(Hans Jurgen Eysenck)

ハンス・アイゼンク(Hans Jurgen Eysenck, 1916年3月4日 - 1997年9月4日)はドイツのベルリンで生まれてイギリスで帰化した臨床心理学者であり、性格心理学・パーソナリティ分析・行動療法・心理テスト作成などの分野で精力的な研究を行った。H.アイゼンクは非常に膨大な量の論文・著作を書いた心理学者として知られ、心理学の広範な領域にわたる論文・主要著書を約350編も上梓している。

H.アイゼンクは精神分析学的な心理的力動(リビドーや超自我の内的葛藤)を重視する伝統的なパーソナリティ研究の方法論を非科学的(非実証的)だと言って批判し、性格心理学の分野に科学的研究の方法論を導入することに尽力した。性格形成について生物学主義(遺伝子重視)や環境決定論が流行っていた時代に、H.アイゼンクは早くも『遺伝的要因』と『環境的要因』の双方が作用することで、“性格(character)”という一貫性のある思考・感情・行動のパターンが規定されるという折衷論を展開した。

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2011年07月04日

[反応性うつ病(reactive depression)・非定型うつ病]

反応性うつ病(reactive depression)・非定型うつ病

内因性の精神病である古典的うつ病(大うつ病性障害)は、遺伝的要因(体質・気質)・脳神経学的要因といった『内部的要因』によって発症することになるが、反応性うつ病(reactive depression)は顕著な分かりやすい精神的ストレスに対する反応として発症するうつ病である。反応性うつ病は、従来の内因性のうつ病(気分障害)よりも『抑うつ感・興味と喜びの喪失・絶望感・意欲減退・希死念慮』といった精神症状の重症度が低く、精神病圏よりも神経症圏に近いと考えられていたが、現在では『心因反応・ストレス性障害・適応障害』として分類されることも増えている。

強度の精神的ストレスを感じるライフイベント(悲哀・怒り・苦痛を感じる感情体験)によって発症したうつ病が『反応性うつ病』であるが、最近のうつ病群の分類では『非定型うつ病・新型うつ病』といった疾病概念が用いられることも多い。更に、新型うつ病の中には自分が興味を持っている活動や精神的ストレスの少ない娯楽であれば『抑うつ感・億劫感・意欲減少』を生じにくい症例も増えており、『うつ病の疾病利得との相関・新型うつ病と擬態うつ病との鑑別』が精神医学領域で議論になることもある。

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