発達検査(developmental test)
発達検査(developmental test)は、被検者の心身の発達の程度(レベル)を測定するための心理検査であり、身体的発達(生理的発達)・知的発達・社会性の発達の問題や遅れについて“早期発見・早期対応(援助及び治療)”を行えるようにするものである。臨床心理学の心理アセスメントで用いられる心理検査は、『知能検査(IQの測定・知的障害のスクリーニング)』と『人格検査(個人の性格特性や価値志向を判断するパーソナリティテスト)』に分類されるが、この『発達検査』も心理検査の一つである。
過去の発達心理学は誕生(出生)から『精神的・経済的な自立』を成し遂げて自己アイデンティティを確立する青年期までを対象にしていたが、現在の発達心理学では誕生(出生)から死亡までの『生涯発達』を前提にしている。
そのため、本来であれば発達検査も、乳幼児から青年・中年・高齢者まで幅広い年代を対象にすべきであるが、現在の発達検査の主要な対象と目的は、『乳幼児・各種の発達障害や知的障害の早期発見』になっている。それは、人間の心身発達がスムーズに進んで既存の社会生活や学校生活、職業活動に適応できるか否かの基盤が『乳児期・幼児期・児童期の学習行動と個人的経験』にあるからであり、精神発達・知的活動・社会適応の問題(障害)を早期に発見することで、有効な発達支援や特殊教育支援を行いやすくなるからである。
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