病跡学(pathography)・表現病理学3:天才の非業の死・芸術家の薬物中毒
自己愛性パーソナリティー障害や境界性パーソナリティー障害で情緒が相当に不安定だったとされる女優のマリリン・モンロー(1926-1962)も、フロイトの末娘であるアンナ・フロイトの精神分析の治療を受けていた。
マリリン・モンローは最終的には不運な非業の自殺を遂げてしまうが、精神病的な希死念慮や自殺企図を行ってしまう天才や芸術家は多く、日本でも芥川龍之介・川端康成・太宰治・三島由紀夫(三島は戦後日本の柔弱を嫌う憂国烈士の思想的自殺の面が強い)などの文人が自殺でその人生を終えている。
病跡学(pathography)・表現病理学2:双極性障害・統合失調症と創造性
『ツァラトゥストラはこう言った』『道徳の彼岸』など神が死んだ近代の始まりを予告する独自の哲学を構築したフリードリヒ・ニーチェ(F.W.Nietzsche,1844〜1900)も、後年は脳梅毒による進行麻痺で正常な精神機能を失ったとされるが、梅毒症状が出る前の時期には創作的な活動に集中することができていた。
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