2017年08月23日

[結婚の一般的なメリットとデメリット]

結婚の一般的なメリットとデメリット

結婚が一定の年齢でみんながするという『義務的な結婚』であれば『結婚のメリット・デメリット』を深刻に考える必要はあまりなかったのですが、現代の未婚化・晩婚化の社会では、結婚は自分が本当にしたい(してもよい)と思った相手としたほうがいいという『選択的な結婚』になっているので、余計に『結婚のメリット・デメリット』を考えすぎて躊躇してしまう人が増えたのです。

現代日本ではなぜ非婚化(未婚化)・少子化が進むのか?:義務から選択に変わった結婚と格差拡大

一般的な『結婚のメリット』としては、以下のようなものがあると考えることができます。必ずこれらの結婚のメリットを得られるわけではないですが、夫婦がお互いに努力して経済的に破綻せず、性格や生き方の相性も良ければ得やすいものではあります。

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[現代日本ではなぜ非婚化(未婚化)・少子化が進むのか?:義務から選択に変わった結婚と格差拡大]

現代日本ではなぜ非婚化(未婚化)・少子化が進むのか?:義務から選択に変わった結婚と格差拡大

現代の日本をはじめとする先進国は『少子化・未婚化(非婚化)・晩婚化』が進んでいて、『人口減少・少子高齢化(支え手の減る社会保障コスト増大)・経済縮小(労働力不足・消費減退)』といった社会問題の原因にもなっています。少子化が起こる原因もまた、日本の適齢期の若者がなかなか結婚しなくなったことですが、30代以下の若者を中心になぜ結婚しない人や結婚できない人が増えたのでしょうか。

1970年代くらいまでの近代日本は『皆婚社会』で、女性は遅くとも30歳くらいまでには結婚しないと働き口がなくて人生設計・経済生活が成り立たなくなる恐れがあったので、大多数の人は恋愛結婚ができなければお見合い結婚をしてでも一定の年齢までに結婚することが普通でした。

極論すれば、1980年代くらいまでは結婚することが人として当たり前(正常)であり、結婚しないことは何か特別な問題・欠陥があるのではないかと勘繰られる偏見が強かったので、そういった偏見のある世間体に負けて消極的に結婚するという人も多かったのです。

経済成長期で一億総中流社会に近づいていたことも『皆婚の傾向(正規雇用の男性が妻子を扶養する形の結婚)』を後押ししていましたが、2000年代と比べると『結婚後に結婚生活・出産育児が経済的に成り立つか(男性がきちんと仕事をして安定した収入を得ているか)』に重点が置かれていて、今のような『異性としての魅力・容姿での選り好み』があまり無かったことも皆婚に影響しています。

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2017年08月21日

[M.H.デイビスの多次元共感測定尺度]

M.H.デイビスの多次元共感測定尺度

『情動的共感性尺度』の項目では、共感性に他者の気持ちを推測する『認知的側面』と他者の気持ちを擬似体験する『情動的側面』の二つがあることを説明したが、今までの研究では情動的側面が重視されることが多かった。共感性の認知的側面に注目した心理測定尺度(心理テスト)の研究も増えてきているが、その原点としてM.H.デイビス(M.H.Davis)『多次元共感測定尺度(1983)』がある。

M.H.デイビス(M.H.Davis)の『多次元共感測定尺度』は、共感性を四次元(四つの要素)で測定する尺度である。ここでいう共感性の四次元(四つの要素)とは、認知的要素の『視点取得(他者の気持ちの想像・認知)』、情動的要素の『共感的配慮(不幸な他者に対する同情・関心)』『空想(架空の人物への同一化傾向)』『個人的苦悩(緊急事態における不安・動揺)』のことである。

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[『共感経験尺度・改訂版(ESSR)』と共有経験・共有不全経験で考える共感性の内容]

『共感経験尺度・改訂版(ESSR)』と共有経験・共有不全経験で考える共感性の内容

『情動的共感性尺度』と合わせて実施されることの多い、過去の共感経験に基づく共感性のタイプを測定するための尺度に、角田豊(1991)の『共感経験尺度・改訂版(ESSR)』もある。角田は共感性の概念について、他者理解を前提として感情的・認知的なアプローチを統合したものと考え、共感性・共感経験を『能動的または想像的に他者の立場に自分を置くことで、自分とは異なる存在である他者の感情を体験すること』と定義している。

他者理解につながっていく共感が成立するためには、他者と感情を分かち合う『共有機能』と、自他の独立的な個別性の認識がなされる『分離機能』が統合されなければならないとした。

角田の『共感経験尺度・改訂版(ESSR)』『共有経験』『共有不全経験』の二つの下位尺度から構成されているが、共有不全経験というのは他者の感情を感じ取れなかった過去の経験のことで、人は共有不全経験によって自己と他者の独立した個別性の認識を生じることにもなる。

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[共感性(empathy)の認知的側面と情動的側面:『情動的共感性尺度』]

共感性(empathy)の認知的側面と情動的側面:『情動的共感性尺度』

共感性(empathy)とは他者の感情や思考を推測したり感情移入して汲み取ることで、その他者と類似した情動を体験する性質・特性のことである。

他者の言動や感情、生活、人間関係の共感的な理解はカール・ロジャーズのクライエント中心療法でも重視されているが、臨床心理学やカウンセリングではその場の相手の不遇・不幸を心配して思いやるだけの『同情(sympathy)』と相手の立場に立って相手と類似の感情を感じ取って理解しようとする『共感(empathy)』を定義的に区別している。

共感性は他者の立場・視点に立ったつもりで感情・思考・行動を理解しようとする『認知的側面(認知的共感性)』と、他者の感情(情動)の状態を知覚して自分自身も類似の感情を擬似体験する『情動的側面(情動的共感性)』に分けることができる。

ストットランド(1969)は共感性の情動的側面について、『他人が情動状態を経験しているか、または経験しようとしていると知覚したために、観察者に生じた類似の情動的な反応』と定義している。

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2017年08月12日

[心理テストの全体尺度と下位尺度]

心理テストの全体尺度と下位尺度

心理測定尺度(心理テスト)で測定しようとする『概念・特性』が、複数の側面(要素)から構成されていることも多い。その場合には、『全体尺度』と全体尺度の概念を構成する複数の側面(要素)である『下位尺度』に分けてから、心理測定尺度を作成していくことになる。

下位尺度の側面ごとに『得点』を算出して解釈していくが、下位尺度の各点数を合計するかどうかは、それぞれの心理測定尺度(心理テスト)によって異なってくる。心理測定尺度(心理テスト)によって、下位尺度をそれぞれ独立したものと見なして点数を合計しないこともあるし、下位尺度の点数を合計することによって全体尺度の概念を判定することもあるのである。

例えば、ヒルが作成した『対人志向性尺度(親和動機測定尺度,1987)』には、『情緒的支持(Emotional support)・ポジティブな刺激(Positive stimulation)・社会的比較(Social comparison)・注目(Attention)』の4つの下位尺度があるが、これらの下位尺度は独立したものと見なされているため、4つの下位尺度の点数を合計するようなことはしないのである。

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[ヘイザンとシェイバーの『アダルト・アタッチメント尺度』:愛着形成の3タイプ]

ヘイザンとシェイバーの『アダルト・アタッチメント尺度』:愛着形成の3タイプ

精神科医・精神分析家のジョン・ボウルビィ(John Bowlby,1907-1990)は、人間の精神発達過程や人間関係の傾向を説明する『愛着理論(attachment theory)』を提唱した。愛着理論でいう『愛着(attachment)』とは、乳幼児期に特定の近しい他者に対して形成される『情緒的な深い結びつき』のことである。

愛着が形成された他者と一緒にいると『安心感・安全感・信頼感・自己肯定感』などをはじめとする『居心地の良さ』を感じることができる。児童期・思春期・青年期以降にも人は親友・恋人・配偶者など親密な相手に対して愛着を形成することが多く、そういった相手と一緒にいる時には安心して居心地が良くなり、反対に決定的に別れてしまうと(二度と会えないような関係破綻になると)苦痛や孤独、寂しさ、怒りに悩まされることになりやすい。対象喪失の悲哀感にも、愛着の破綻や喪失が関係している。

1980年代前半までの愛着研究は、主に乳幼児期の母子関係に関わるものであり、乳幼児期の愛着以外の愛着を心理学的に測定・評価する心理テストが開発されていなかった。その後、1985年にメインらが成人の愛着を測定するための『半構造化面接法(成人愛着面接法)』を開発して発達心理学の分野で使用され始めた。1987年には、ヘイザンシェイバーが、成人の愛着測定のための質問紙法の心理テストを開発している。

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2017年07月31日

[精神分析的面接で『自己(self)』をどう評価するか?:自己愛・自己アイデンティティー]

精神分析的面接で『自己(self)』をどう評価するか?:自己愛・自己アイデンティティー

ジークムント・フロイトの精神分析でいう『自己(self)』は、意識的あるいは無意識的な自分自身とほぼ同義である。フロイトの同志で途中で訣別したカール・グスタフ・ユングは、普遍的無意識(集合無意識)の内容である元型(archetype)の一つとして『自己(self)』を定義している。

ユングの分析心理学でいう『自己(self)』には『意識と無意識を合わせた全領域の中心』といった意味がある。更に精神療法としての分析心理学(ユング心理学)では、意識と無意識のバランスが取れた自己に近づく『個性化(自己実現)のプロセス』が、精神病理の状態からの回復につながると考えられている。

精神分析で評価される外的な対人関係と内的な対象関係2:過去の対象関係・トラウマの影響の意識化

精神分析的面接でクライエントの『自己』を評価していく場合には、はじめに『自己愛』『自己アイデンティティー』に着目することが多い。自己愛の発達ラインには『誇大自己(野心に向かうベクトル)』『理想的な親イマーゴ(理想に向かうベクトル)』の軸があるが、主に自分の野心を実現しようとする誇大自己と実際の自分との違いが評価の対象になってくる。

どのような内容や大きさの誇大自己を持っているかを観察して、『誇大自己の大きさ』『現実の自分の能力・魅力』を比べて、現実生活や人間関係の中でその野心に向かう誇大自己をどのくらい満たせているかを評価していく。

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[精神分析で評価される“外的な対人関係”と“内的な対象関係”2:過去の対象関係・トラウマの影響の意識化]

精神分析で評価される“外的な対人関係”と“内的な対象関係”2:過去の対象関係・トラウマの影響の意識化

精神分析的面接を受けることの意味は、『現在の対人関係(親子・夫婦・恋人・友達との実際の対人関係)』に間接的な影響を与え続けている『(過去の重要な対人関係が原型となった)内的な対象関係のパターン』を理解して肯定的に変えることである。

精神分析で評価される外的な対人関係と内的な対象関係1:転移感情

繰り返される好ましくない『内的な対象関係のパターン』がどんなものであるかを的確に把握して、その原型となっている『トラウマティックな家族関係・親子関係』を言語化(意識化)して受容していく心の仕事も含まれている。

『外的な実際の対人関係』『内的な表象(イメージ)の対象関係』の質・水準を評価して、外的な対人関係において繰り返される内的な対象関係とその根本にある『過去の原型的な親子関係(あるいは過去の重要な人間関係の絡むトラウマ記憶)』を明らかにしていくのである。

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[精神分析で評価される“外的な対人関係”と“内的な対象関係”1:転移感情]

精神分析で評価される“外的な対人関係”と“内的な対象関係”1:転移感情

フロイト以後の精神分析では、幼児期の移行対象を取り上げたドナルド・ウィニコットや英国独立学派を立ち上げたメラニー・クラインをはじめとして、対象関係(object relation)を重視した人物が多い。

精神分析でいう『対象関係(object relation)』とは、内面心理にある他者の表象(イメージ)との関係であり、自分の外部に実際にいる他者と自己との関係でもある。その意味で、対象関係には『内的な表象(イメージ)との関係性』『外的な実際の他者との関係性』という二つの関係性が含意されていることになる。

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