R.J.スタンバーグ(R.J.Sternberg)の『愛のトライアングル理論』:親密さ・情熱・コミットメント+決心
R.J.スタンバーグ(R.J.Sternberg)は『愛のトライアングル理論』を提示して、人間の恋愛経験は三角形の頂点(角)のように『3つの要素』から構成されているとした。R.J.スタンバーグのいう恋愛経験の3要素とは、『親密さ(intimacy)』『情熱(passion)』『コミットメント・決心(commitment, decision)』の3つである。
親密さ(intimacy)……二人の間の緊密さ、密着性、居心地の良さ、結合度の強さであり、二人がそれらを相手に対して実感として感じているということである。親密さのあるカップルは、相互的な自己開示を行っていて、相手への好意・評価・賞賛の思いを抱いており、親密なコミュニケーションを繰り返す傾向が見られる。
情熱(passion)……恋愛関係のプロセスで生じる強い感情・情動であり、『相手と一緒にいたい・相手を自分のものだけにしたい・相手と素敵な時間を共有したい・相手と性的なスキンシップをしたい・相手とロマンティックな雰囲気を楽しみたい』などの欲求と合わさって感じられるものである。情熱を感じているカップルは、相手とのロマンティックな関係を求めて楽しみ、相手に対して性的魅力・身体的魅力を感じている傾向がある。自尊心や擁護、安心、親和、支配と服従などの感情・関係も関わってくる。
コミットメント・決心(commitment, decision)……短期的にはその相手のことを愛して大切にしようとする決意であり、長期的には愛のある相手との素晴らしい関係を頑張って維持していこうとするコミットメント(自己関与)のことである。
『親密さ(intimacy)』『情熱(passion)』『コミットメント・決心(commitment, decision)』の3つの要素のバランスが取れているほど理想的な恋愛関係と言えるが、どれか1つの要素だけが突出していて他の2つの要素がない関係は恋愛とは異なる別の関係性に移行しやすくなるとされる。2つの要素が結びつくと、それぞれ特徴的な恋愛関係が成り立つようにもなる。
続きを読む